CSR推進体制

社会的責任の国際規格であるISO26000を手引きとし、環境変化に応じて社会からの期待・要請に応えるべく取り組むべき課題を設定し、解決に向けてのマネジメントサイクルを推進しています。

CSR推進の経緯

1.「守りのCSR」から「攻めのCSR」へ (2004年~2010年)

カシオは2004年にCSR推進室を設置して以来、取り組むべきCSRテーマと影響を及ぼす対象範囲を拡大しながらCSRを推進しています。初期の段階では、コンプライアンス・リスクによる企業価値の毀損を抑制すること(守りのCSR)に力点を置いていましたが、2010年度以降はCSRによって企業価値を向上させること(攻めのCSR)に主眼をおいて取り組んでいます。

2.ISO26000の中核主題への取り組み状況の棚卸し (2011年)

2011年度は、全世界のグループ企業を対象にCSRをグローバルに推進するため、CSR推進の責任者・担当者を設置するとともに、ISO26000に定める中核主題に基づき各社の取り組み状況の棚卸しを行い評価・分析を行いました。

3.「人権課題」への重点的な取り組み (2012年~)

2012年度には前年の棚卸しから抽出された優先課題から特に「人権の尊重」に焦点を当て、再度グループ企業全体を対象に実態調査を行いました。2013年度からはその調査結果の評価・分析に基づき、グループ全体の「人権問題」に対する感度の向上を重点課題として取り組んでいます。
その一環として、2013年6月には「人権の尊重」や「公正な事業慣行」に関する最新のグローバル基準を反映して「カシオグループ倫理行動規範」の改訂を実施し、また2014年7月にはカシオの人権問題へのコミットメントを内外に示すため、「カシオグループ人権尊重に関する基本方針」(「カシオ人権方針」)を制定し公表しました。
また独自に開発した「人権チェックツール」によってグループ各社における人権への取り組み状況の棚卸しを実施しました。今後、定期的にこの「人権チェック」を実施し、その評価・分析及びフィードバックのプロセスをルーティン化することによってグループ全体の人権デューディリジェンスの向上に努めていきます。

「カシオグループ人権尊重に関する基本方針」(PDF / 116KB)

4.GRIのG4対応の推進 (2014年~)

また、カシオにとってのマテリアリティ(重要課題)の特定に向けて、まず従業員目線のマテリアリティを探るために「従業員ワークショップ・CSR委員会ワークショップ」(2014年4月・5月)を実施、続いてステークホルダー目線のマテリアリティに触れるために各方面の有識者にご参集いただいて「有識者懇談会」(2014年6月)を開催しました。
また、2015年5月から有識者・従業員・顧客に対してそれぞれアンケート調査を行い、様々なステークホルダーの立場から、カシオのマテリアリティに対するご意見を収集し、アウトプット(カシオのマテリアリティ)の精度を高める取り組みを進めています。2015年の末までにはカシオのマテリアリティの特定を完了し、2016年度の本報告書においてGRIのG4を参考に報告しています。

5.グループCSR浸透体制の整備

2015年から新たな取り組みとして、「CSRリーダー制度」の構築を進めています。これは、各部門から選んだ100名程度の従業員をその部門の「CSRリーダー」として重点的にCSR教育を行うことでCSRの核人材を育成し、CSRリーダー同士で将来の方向性への議論を交わしたり、各部門で中心となってCSRの浸透を図ってもらうというものです。2016年度までは、まず本社での体制構築を計りましたが、2017年度以降、国内外のグループ各社にも段階的に体制を拡充し、グローバルレベルでグループ全体のCSRリテラシーの向上を図ります。

CSRの取組みの進化

CSRの取組みの進化について図で表したものです。

CSR委員会

委員会活動

カシオでは社会からの期待・要請に応えるべく、取組む社会的課題を特定し、解決する施策を実施するため、CSRの中核組織として、取締役会の下部に、執行役員 CSR推進部長を委員長とする「CSR委員会」を設置しています。このCSR委員会はカシオ計算機のスタッフ系主管部門、国内・海外におけるグループ会社のCSRの管理責任者と管理担当者により構成され、CSR委員会事務局が運営を主導しています。定例の会議開催は半期に一度ですが、委員会活動は事業年度におけるマネジメントサイクルに基づき、年間を通じて推進しています。事務局は、まず、年度の初めに前年度のCSR推進テーマの進捗状況を確認します。これら進捗状況と社会的な要請や環境の変化等を俯瞰し、年度ごとに取り組むべき優先テーマを決定し、具体的な施策の活動計画を立案します。この活動計画に従って、継続テーマの推進、及び新規テーマの設定を行います。次に、現状と課題の把握を行い、また主管部門の要請に応じて、新規テーマを設定します。テーマの推進にあたり、主管部門は本来のあるべき姿と当該年度の計画を策定したプログラムにて推進しています。また、期末にはテーマの進捗を評価するとともに、実績や成果を踏まえ、課題を抽出し、改善のための次年度の計画策定につなげています。

CSR委員会体制

CSR委員会体制について図で表したものです。
2017年3月31日現在

2016年度は、前年度同様、ISO26000の中核主題である「人権の尊重」、「公正な事業慣行」、及び2016年度の開示が求められる「GRIガイドライン第4版(G4)への対応」、「人的多様性の向上と活用」「紛争鉱物の不使用」のCSR課題への対策の5テーマを推進しました。このうち、「GRIガイドライン第4版(G4)への対応」は8月リリースをもって、テーマ完了しています。また、「OSSリスク低減活動」と「不当景品類及び不当表示防止法改正への対応」のコンプライアンス違反対策」の2テーマは、上半期をもって完了し、新規に「グローバル・コンプライアンス体制の整備」、「EU GDPR(一般データ保護規則)への対応」をテーマ設定しました。個別テーマにおける推進の状況、及び2017年度計画は以下の通りです。

2016年度の個別のテーマの推進状況、及び2017年度計画

テーマ

2016年度実績

状況

2017年度計画

1

公正な事業慣行〔贈収賄禁止への取組み〕 腐敗リスク評価の実施(販売系グループ29社)

継続

腐敗リスク評価の実施(生産系グループ8社)

2

人権尊重確認の仕組作成 人権課題チェック実施(生産系8社)

継続

人権課題チェック実施(販売系29社)

3

人的多様性の向上と活用 ダイバーシティ強化

継続

ダイバーシティ強化

4

紛争鉱物不使用の推進 第4次取引先調査の実施

継続

第5次取引先調査の実施

5

GRIガイドライン第4版(G4)への対応 マテリアリティのリリース(8月)

完了

 

6

OSSリスク低減活動の取組み CSR活動まとめと今後運用(8月)

完了

 

7

「不当景品類及び不当表示防止法」の改正への対応 品目分科会活動推進と教育実施、仕組み運用

完了

 

8

(新)グローバル・コンプライアンス体制の整備 グローバル・コンプライアンス調査の実施

新規

課題フィードバックと対策の実施

9

(新)EU GDPR(一般データ保護規則)への対応 ワーキンググループ発足とEU個人データの収集・処理の実態把握

新規

EU GDPRへの対応課題と施策実施の検討

体制の見直し

2017年度から、CSR委員会は社長を委員長とし、構成メンバーは全ての取締役・監査役・執行役員という体制に改めます。昨年まではCSR委員会は取締役会の下部組織の位置付けでしたが、本年度からは取締役会そのものに格上げし、CSRの中期方針、年度方針、前年度実績報告(次年度以降)等についてそこで審議・承認を行います。ここでの決定事項が従来のCSR委員会(名称変更を検討中:構成メンバーは関連部門長・関連所属長・グループ会社CSR責任者を中心とする実行部隊)に下ろされ、CSR中期方針に基づく推進テーマ設定、同テーマの年間計画策定及び実行、社会・環境情報の周知徹底等の活動を展開・推進します。