環境コンプライアンス

「美しい地球を守ろう」とする環境関連規制の強化は、世界的な潮流となっています。
グローバル、ローカルにかかわらず、企業は環境法規制遵守を使命とし、温室効果ガス排出規制や有害化学物質含有禁止、ISO14001の法的な要求事項、リスク管理マネジメント、環境情報開示などの課題へと取り組む必要に迫られています。
ここでは、カシオの環境コンプライアンスの取り組みを紹介します。

基準管理と監査 ~定期的な内部監査と第三者監査

カシオのISO14001認定登録拠点数は13拠点になります。
このうち、カシオ計算機の3拠点(本社(7営業拠点含)、羽村技術センター、八王子技術センター)は、2017年度より、統合して活動を開始しました。

これらの各事業所では国や県・市が定める規制基準および自主基準に基づき、排出ガス濃度(ばいじん・SOx・NOx)や排出水質(有害物質を含む水)の測定による状態管理や改善活動を定常的に実施しています。また、有害化学物質の使用状況、VOC(揮発性有機化合物)の取扱量や大気排出量の測定・報告なども行っています。

さらに、各事業所では内部環境監査員の育成を行い、内部監査を実施する他、定期的に外部機関の第三者監査を受け、改善活動を行っています。

今後、カシオの環境監査水準を高めていく課題として、内部環境監査員には、環境リスク感知能力の向上、各種環境関連法令の理解力の向上、化学物質管理にかかわる内外の法律や情報管理についての習得、さらに課題発見や改善提案を行うなど、「現地・現場」から環境コンプライアンスを先導する役割が望まれています。

製品開発・設計・製造におけるコンプライアンス監査

製品の環境配慮を要求する法規制は、近年厳しくなる一方です。EUや米国各州のような先行地域はもとより、アジアや中南米、中東などの新興国においても、先進地域を参考にした法規制が審議され、あるいは成立しつつあります。後発の法律は、先行している法規制を参考にしながらも、具体的な要求事項が少しずつ異なっている場合もあります。これらを正しく解釈し、カシオ製品に適用させる必要があります。

カシオは「製品規制委員会」の中に「環境規制専門委員会」を設け、CSR部門、技術部門、開発設計部門、資材購買部門、および営業部門が集まり、法律適合のための検討を行っています。ここでは成立した法規制にとどまらず、現在審議中の法規制も対象とし、情報の共有、合理的な対応方針の策定、対応状況の確認などを行い、開発・設計・製造・販売をサポートしています。さらに、環境以外の製品規制(電気安全・電波・無線など)と情報を共有し、包括的に製品規制対応の合理化を図っています。

環境規制専門委員会では

  1. 法規制関連情報(規制当局、海外現地法人、情報サービス、工業会、同業他社などから)の収集、共有
  2. 法規制関連情報の分析、解釈
  3. 製造・輸出入・販売事業者の義務行為の掌握
  4. 開発や設計標準への展開と審査チェック
  5. 設計支援ツール(含有化学物質データベース等)の使用効率の向上
などを行っています。

また、法規制によっては厳しい罰則などが設けられるため、リスク管理というテーマへもいっそう注力していく必要を認識しています。

さらに、新製品の出荷前には、法規制だけでなく、カシオグリーンスタープランに応じた環境適合設計がなされているかどうかについて、各品目で製品環境アセスメント評価を行い、環境部門において監査を実施しています。また、販売先の海外各地域の化学物質法規制に適合しているかどうかの化学物質監査も実施しており、製品を構成するすべての部品・材料が、化学物質基準を満足していることを確認した上で、出荷合格の判定をしています。

製品に含まれる化学物質に関するコンプライアンス

電気電子製品に含まれる化学物質を規制する法律が、海外各地域で次々に成立しており、また既存の規制も年々強化されつつあります。個々の法規制により、対象の化学物質、規制される用途、免除される用途、しきい値、対象範囲、要求事項(含有制限、ラベリング、あるいは情報提供など)が異なります。

カシオでは、製品に含まれる化学物質に関する法規制を可能な限り集約してカシオグリーン調達基準書に反映させています。開発設計部門において、製品を構成する部品・材料がカシオグリーン調達基準に適合していることをデータベースで確認することにより、世界全域の化学物質規制遵守ができるようにしています。

使用済み製品の回収・リサイクル・適切な処分に関するコンプライアンス

使用済みの電気電子製品、包装材、電池を回収・リサイクルするための法規制は世界の各地域にあります。省資源・リサイクル配慮設計、ユーザーによる分別回収を促進するための表示や情報提供、適切な処理のための情報提供などにつき、それぞれの規制の要求事項に対応しなければなりません。

カシオでは、製品環境アセスメントにおいて、製品の省資源化、易解体性、リサイクル可能性、再生材の利用状況を評価しており、またラベル表示や記載情報について、世界各地域の法的要求事項を満足しているかどうかを確認しています。

2013年4月の「小型家電リサイクル法」施行に合わせて、再資源化しやすい製品を開発するために、各製品ジャンルの関係者(設計者等)によるプロジェクトを立ち上げ、使用済み小型家電のリサイクルを手がける中間処理事業者及び金属精錬事業者等をを訪ね、解体方法などについての聞き取り調査を実施し、再資源化しやすい製品の開発を行えるよう、社内の設計マニュアルに反映しました。

消費電力に関するコンプライアンス

電気電子機器、および外部電源装置や充電器には、製品カテゴリにより、あるいは電源の種類により、消費電力あるいは電源効率の規制があります。消費電力や効率に関して、最低基準の遵守を要求する規制、消費電力レベルの表示を要求する規制など、要求事項もさまざまです。 カシオでは、個々の製品ごとに、適用される規制を確認し、要求事項を満足するように開発設計し、必要に応じて当局の認可申請や届出などをしています。

省エネルギーおよび地球温暖化防止にかかわるコンプライアンス

省エネルギーおよび地球温暖化防止関連法規制への対処は、カシオグループによる環境行動目標など自主的な取組みを法令に照らして一部を点検・補強する側面があります。
各国法規制の対処のうち、比較的規模の大きい事業所が対象となる国内法規制への対応について紹介します。

1:省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)

カシオでは、省エネ法の要求事項に従い、事業者単位でエネルギー使用の合理化についても別途評価しています。現在、カシオ計算機と山形カシオがそれぞれ特定事業者に指定されており、2009年度より定期報告書・中長期計画書を提出しているほか、「工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準」に従い、エネルギー管理統括者等を設置し、エネルギー使用量の削減活動を進めています。

2:温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)

カシオでは、エネルギー起源のCO2以外の温室効果ガスについて、法令の定める基準を超える排出はなく、このため、省エネ法定期報告書を提出することにより、温室効果ガス排出量の報告に関する要求事項に対応しています。

3:東京都の環境確保条例(「地球温暖化対策報告書」制度)

2015年度、カシオの東京都内の中小規模事業所(原油換算エネルギー使用量1,500kl未満/年)における原油換算エネルギー使用量の合計値は、3,000kl/年を下回りました。
それに伴い、東京都から「地球温暖化対策報告書提出義務要件非該当確認通知書」が発行され、2016年度の報告義務が免除されました。
カシオでは、今後も引き続き、東京都の条例に基づき、地球温暖化対策を進めていきます。

地球温暖化対策報告書提出義務要件非該当確認通知書の画像です。

環境情報開示におけるコンプライアンス

企業の情報開示基準を巡る国際的な動きも活発化しています。

特に、国際財務報告基準(IFRS)の国内基準化を求める中で、非財務情報の開示を加えて企業の将来を見通す情報を「マネジメント・コメンタリー(MC)」として提供させようという動きが進んでいます。つまり企業の置かれている状況、事業戦略、リスク、財務業績などとの関連性がデータで示される非財務情報の開示が望まれてきているのです。

このために、カシオは、すべてのステークホルダーに正しい環境情報がわかりやすく開示できるよう、

  1. 環境影響に関する、より正確な指標の採用と比較可能性の提供
  2. 企業戦略との相互関連性が伝わる、環境を含む非財務情報の提供
  3. 環境情報が企業業績向上に与えている影響力の説明の提供

などを目指し、環境情報開示に取り組んでいくとともに、世界的な非財務情報の開示基準や規格化に対応する作業を進めていきます。