低炭素社会の実現

考え方

社会的背景

世界の人口増加や、世界的な平均気温上昇など、昨今、地球規模での問題が顕在化しています。これらの解決の足掛かりとして2015年には「持続可能な開発目標(SDGs)」とCOP21の「パリ協定」がそれぞれ国連で採択されました。
社会に存在する企業として、現在だけでなく将来の世代の暮らしを持続可能なものとするためにも、これらにしっかりと向き合い、具体的な取組につなげていく必要があります。
そのため、カシオではマテリアリティの一つに「低炭素社会の実現」を取り上げ、取り組みを進めていきます。

関連するSDGsの画像です。

カシオグループにおけるリスクと機会

2011年3月の東日本大震災とそれに伴う福島原子力発電所事故により、日本全国の原子力発電所のほとんどが稼働停止するに至り、日本国内における電気料金の値上げ、および夏季と冬季における電力不足などのリスクにさらされました。また、原子力発電稼働率の低下は火力発電への依存度を高め、それによって、電力の温室効果ガス排出係数が上昇し、低炭素社会の実現に反し実質のCO2排出量の増加につながり、結果として東京都環境確保条例などにおける排出量買取費用の発生などのリスクが高まっています。
その他、地球温暖化および周辺地域の森林減少などもその一因と想定される2011年のタイにおける洪水などによって、部品や生産におけるバリューチェーンが脅かされるなどの世界的なリスクも顕在化してきています。
このようなリスクを回避するためにも、今後、再生可能エネルギー導入の拡大およびバリューチェーンにおける代替手段の確保などを図ります。 
他方、プロジェクターや電子辞書などのペーパーレス商品による製品使用時の温室効果ガス削減効果については、製品ライフサイクルにおける低炭素社会の実現に関する大きな機会ととらえ、対応製品のいっそうの事業拡大を図ります。

以上のようなさまざまなリスクを低減し、機会を拡大することは地球や社会の持続性に貢献し、カシオにとっての事業基盤をより強固にするための極めて重要な課題であることを認識し、低炭素社会の実現に対しても、これまで以上に積極的な活動を展開します。

方針

2030年および、2050年の中長期目標の達成に向けて、主として下記内容を着実に推進していきます。

カシオグループは、CO2の削減や吸収に、より一層貢献する製品やサービスを提供していきます。
また、太陽光・風力・水力などの人と地球にやさしいエネルギーを利用する製品やサービスを拡大していくとともに、これらの再生可能エネルギーを事業活動に取り入れていきます。

また、マテリアリティ「低炭素社会の実現」に取り組む委員会として、主要拠点の省エネルギー診断を実施し、CO2削減のポテンシャルを見極め、低炭素化に向けたロードマップを策定し、関連するすべての部門と共有して、あらゆる施策を推進していきます。

マネジメントアプローチ

環境活動 行動目標・実績

評価 ◎:すべての目標達成、○:目標をおおむね達成、△:成果より課題が残る、×:進捗なし

中長期目標

2017年度目標

2017年度実績

評価

2018年度目標

[長期目標]カシオグループ全体の温室効果ガス排出量(スコープ1、2)を2013年度基準で2050年度までに80%削減する カシオグループ全体の温室効果ガス排出量(スコープ1、2)を2013年度基準で8.25%削減する 2013年度比6.0%削減

カシオグループ全体の温室効果ガス排出量(スコープ1、2)を2013年度基準で7.95%削減する
[中期目標]カシオグループ全体の温室効果ガス排出量(スコープ1、2)を2013年度基準で2030年度までに26%削減する

活動実績

カシオは、スコープ1および2を対象とする温室効果ガス排出量の中長期削減目標を2017年度に再設定いたしました。
これに伴い、基準年当時に算定対象でなかった以下拠点についてはGHGプロトコルに準拠し、それぞれの過去の温室効果ガス排出量を基準年以降の各年度に加算いたしました。

  • カシオ韶関(2016年度に他社から買収した生産拠点)
  • 国内の小規模営業拠点(2016 年度まで算定対象に含めていなかったが2017年度より対象)

基準年の温室効果ガス排出量を再計算した影響もあり、2017年度当初に設定した目標は達成できませんでした。再計算された基準年の排出量から算出した年度別の中期削減目標値と比較すると、2017年度実績は中期削減目標値に近い状況となっています。今後はより客観的に削減ポテンシャルを分析したうえで費用対効果を吟味し、適切な投資判断を行いながら2030年の目標達成に向けた削減シナリオを策定し、推進していきます。

温室効果ガス排出量(スコープ1・スコープ2)の推移

温室効果ガス排出量(スコープ1・スコープ2)の推移グラフです。

(t-CO2

 

2013
(基準年)

2014

2015

2016

2017

2018

2019

2020

2025

2030

CO2排出量実績 38,944 38,224 38,568 37,563 36,597 - - - - -
中期削減目標 CO2
排出量
- 38,261 37,589 36,929 36,509 35,847 35,197 34,403 31,487 28,819
削減率 - 1.76% 3.48% 5.17% 6.25% 7.95% 9.62% 11.66% 19.15% 26.00%

バリューチェーン全体でのCO2

LCA(ライフサイクルアセスメント)

カシオでは過去にスポット的に製品のLCAを実施をしたことはありましたが、新たに開発された製品のLCAを実施するための組織的な仕組みはありませんでした。
そこで、2017年度より各製品の開発部門、物流部門、IT部門などからメンバーを集め、社内にLCAワーキンググループを立ち上げ、製品のLCAを恒常的に実施するための検討を開始いたしました。初年度は各品目の代表モデルで部品および材料ステージのCO2負荷をIDEA ver.2の原単位を使用して算出しました。

  • 腕時計:2.86kg-CO2
  • 電子楽器:20.3kg-CO2
  • プロジェクター:12kg-CO2以上
  • デジタルカメラ:13.4kg-CO2
  • 電子辞書:11.1kg-CO2

今後は恒常的にLCAを実施する上での課題を抽出してロードマップを策定し、2025年度までに新機種のLCAを100%実施できる体制の構築を目指します。