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山形カシオ山梨事業所での保全活動 | CASIO

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山形カシオ山梨事業所での保全活動

山形カシオ山梨事業所の敷地内に生息する希少植物等は、明治時代頃までの農村の営みの中で草原が目的をもって利活用されてきた中で、その環境に適した種であるとされています。つまり、現代では草原の利活用を目的とした人為的な管理・関与が実施されなくなったことで、それらの環境に適した種が一般には失われつつあります。しかし、偶然にも同事業所敷地内の緑地管理(草刈り)がかつての時代の人為的な草原管理と近い状況であったことにより、命をつないできたことになります。
このような観点から、環境省や神奈川県における絶滅危惧種の指定があるイヌハギ(植物)やシロヘリツチカメムシとその食草のカナビキソウの他にも、専門家の助言に基づいて比較的珍しい草原性の種類として、カワラサイコ、シベリアメドハギ、マキエハギを保護対象としています。

草原生の生物多様性保全・向上のための管理計画

カワラサイコ

シベリアメドハギ

マキエハギ

山形カシオ山梨事業所敷地内の希少種生息の背景を踏まえ、これまでと大きくは変わりない緑地管理(草刈り)を継続するとともに、秋に希少種の種を採取して育苗し個体数を増やす取組を社員有志「見守り隊」が進めた結果、個体数が増加し消失のリスクを低下させることができました。
こうした中、近年は希少種の生息環境を脅かすとされる「アレチヌスビトハギ」が気付かないうちに敷地内に侵入し、大株に成長して大量の種を散布するようになりました。

アレチヌスビトハギ

種子の拡大

衣服につきやすい種子

「アレチヌスビトハギ」は北アメリカ東南部原産で帰化植物とされていますが、環境省・農水省による「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されており、「一度侵入されると、頑丈な根茎のため駆除が困難。付着しやすい果実で、種子の分散能力が高い。河川でも増加傾向にある。」とされています。このまま放置すれば、希少植物の生息環境が危うくなる可能性がありますが、安易に除草剤などの化学物質を使うのは避けたいところです。そこで、除草剤などを使用しない駆除の方法として、2022年には小型の「バチヅル」を使って地下茎の除去を試みましたが、一つの株の根茎を掘り出すにもかなりの手間がかかり、大量の種がついた状態での対処であったため、衣服に大量の種が付着し、地上部を刈り取るだけで断念せざるをえませんでした。

敷地内のアレチヌスビトハギ

多数の種子が付いた状態で紐で縛る

小型のバチヅルでの根茎除去の試み

そこで、2023年にはアレチヌスビトハギの種子が形成される前に葉の特徴から識別できるように社員有志が情報をまとめ、早期に個体の位置を特定しました。そのうえで、地面の掘削能力が高い「唐鍬」(「CASIOの森」で植栽等に使用)を試したところ比較的容易に根茎を除去することができました。

広がっている枝を紐で縛る

唐鍬で根茎を掘り起こす

掘り起こしたアレチヌスビトハギの根茎

アレチヌスビトハギの根茎堀起こしに参加した山形カシオ・山梨事業所のメンバー

アレチヌスビトハギの根茎はまだ地中に残っている可能性もありますが、来年以降も継続的に対処することで敷地内から完全に駆除することを目指し、希少植物などの生育環境を守っていきたいと考えます。

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