社外からの評価

「カシオ サステナビリティレポート2018」に対する第三者意見

当意見は、本報告書の記載内容、および同社の生産資材、人事、環境・CSRの各担当者へのヒアリング、ならびに山形カシオでの視察に基づいて執筆しています。
同社のCSRへの取り組みは、環境負荷削減や生産資材調達を中心としたPDCA(マネジメント・サイクル)が進められており、今後はトップ・マネジメント層や人事部門を含む全社を挙げた取り組みに拡がることが期待される段階と言えます。

高く評価すべき点

  • 資材調達先のCSRへの取り組みについて、環境負荷削減や働く人々の人権への配慮・対応などを5段階でたずねるアンケートの回答選択肢の段階設定を改定し、国内225社すべてから回答を受け、集計結果に基づきフィードバックしたこと。中国・タイでは前年度の回答に基づき計14社に訪問調査を行い、資材調達方針説明会において表彰・事例紹介するなど、把握と可視化を続けたこと。特に、アンケートの回答選択肢の段階設定の改定は、業界のデファクト・スタンダードとなりうる水準であると高く評価します。今後は、取引先のCSRへの取り組みの水準に応じて、フィードバックがさらに精度高く実施されるよう体制が進化することを期待します。
  • 人権の尊重について、「人権尊重に関する基本方針」と独自の「人権チェックツール」を制定し、グループ各社の人権課題チェックへの回答の集計結果に基づくフィードバックを継続していること、また、「贈収賄禁止ガイダンス」と「贈収賄禁止マニュアル」を定め、海外グループ会社における取り組みの実態把握にも着手したこと。公益通報制度を取引先にも拡大し、利用件数を開示していること。今後は、これらのガイドラインやツールが現場においてさらに有効に活用されるよう、管理職層の目標や評価基準への組み込み、CSR推進リーダー制度との連動を含め、日常のマネジメントにおける推進体制が整備されることを引き続き強く期待します。

取り組みの進捗を評価しつつ、さらなる努力を求めたい点

  • 全社的なCSR推進体制について、CSR委員会の構成員を取締役・監査役・執行役員に変更したこと、マテリアリティの高い項目とKPIを設定し定量的に進捗管理されていること、国内外の主要各社でCSR推進リーダーの配置が進められていること、国内外のNGOとの協働が増えつつあることを評価しつつ、今後は、CSR委員会の議事内容を拡充し、SDGsを視野に近未来への価値創出を促すとともに、推進リーダーによる現場レベルでの取り組みを促すためにも、経営層からのメッセージを多言語に翻訳して世界各国の現場に伝え、多様な現場で働く従業員が、本社や各国の拠点での動向を早期に、かつ深く理解する機会が増えることに、強く期待します。
  • 中長期的な環境経営方針環境マネジメントの推進体制について、GHG排出量を2050年度までに13年度比で80%減ならびに30年度までに同26%減という長期目標を明示するとともに、「低炭素社会の実現」「資源循環型社会の実現」と「自然との共生/生物多様性の保全」の3項目を重点課題とした取り組みを進めていること、特にタイではバス通勤により年間1567t-CO2の削減を実現したことを評価しつつ、スーパーグリーンスター製品の新規認定が行われなかったことを憂慮します。今後は、長期的なGHG削減ロードマップを策定するとともに、再生可能エネルギーの使用拡大、グリーンスター製品のカテゴリー拡充、廃棄時のリサイクル率向上など、顧客の力も借りて中長期目標が実現されることを引き続き強く期待します。
  • 生物多様性の保全について、NGOとの協働モデルが増えつつあること、国内の主要拠点での調査にもとづき、保全活動が始まりつつあることを評価しつつ、今後は、国内外の地域の自然や生物多様性保全に結び付くモデルの拡充や、身近な生物多様性保全に向けて、従業員と地域住民との連携・協働が促されることを、引き続き強く期待します。
  • 働き続けやすさの向上について、育児休業取得後の従業員の復職率が100%、育児・介護・看護のための休暇・休職・短時間勤務制度の利用者がカシオ計算機(株)従業員の4.85%に達したことを評価しつつ、定期健診受診により健康リスクが判明した従業員の事後措置対応率の改善に、引き続き強く期待します。
  • 山形カシオにおける取り組みについて、プレミアム・プロダクション・ラインを担う女性従業員の高度な技能を育成し評価する制度を設けていることを評価しつつ、今後は、導線や照度などの改善により生産性に与える影響も研究するとともに、全従業員による環境や安全に対する取り組みがボトムアップで推進されることを期待します。

一層の努力が求められる点

  • グループ全体の人的多様性の向上と活用について、方針・目標・計画や推進責任者が設けられておらず、グローバル人事会議も開催されていないこと、KPIも「守り」の指標のみにとどまっていることを憂慮します。今後は、2020年代に向けて、部門・法人の枠を超えたグローバルな人的ポートフォリオの想定を早急に具体化し、世界各地で採用された人々の育成・交流・評価を統合的に推進する体制や、各国のナショナルスタッフも把握できる人材データベースの拡充など、人的な多様性を積極的に活用できる戦略と体制の整備が進むことを、引き続き強く期待します。
  • 障碍を持つ従業員の雇用について、法定雇用率をグループで上回ったことを評価しつつ、今後も、四半期ごとの定期面談の実施や時差通勤制度の導入によって改善を進めるとともに、障碍の種別や職種などに基づくコミュニティづくりを進め、働き続けやすさの向上が促されることに、引き続き強く期待します。
  • 本報告書の記述内容として、環境負荷削減に関するデータについては、グループ会社を含む国内外の主要拠点の詳細を紹介していることを評価しつつ、環境以外、特にガバナンスおよび人事関連の非財務項目について、グループ各社を含む取り組みやデータを積極的に紹介し、総合的な報告書としての精度を高めることを、引き続き強く求めます。

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 川北 秀人

IIHOE:「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に1994年に設立されたNPO。主な活動は市民団体・社会事業家のマネジメント支援だが、大手企業のCSR支援も多く手がける。

https://blog.canpan.info/iihoe/ (日本語のみ)

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者  川北 秀人様の写真です。

SRIの状況

Dow Jones Sustainability Indices

DJSIは、世界の金融指数を提供する米国のS&P Dow Jones Indices社と、社会的責任投資に関する調査・格付け企業であるスイスのRobecoSAM社が共同で開発した株式指標で、経済・環境・社会の3つの側面から、企業の持続可能性(サステナビリティ)を測定するものです。カシオ計算機は、2018年9月、DJSI Asia Pacificの構成銘柄に選定されました。

Dow Jones Sustainability Indicesの画像です。

FTSE4Good Index

「FTSE4Good Index」は、ロンドン証券取引所グループが出資するインデックスやデータの提供サービス会社であるFTSE Russell社が、社会、環境、ガバナンスの側面から企業の持続可能性を評価する指標です。カシオ計算機は、2016年6月から組み入れられています。

FTSE4Good Indexの画像です。

MSCI ACWI ESG Leaders Index

「MSCI ACWI ESG Leaders Index」は、MSCI (Morgan Stanley Capital Investment) 社が開発した、ESG(環境・社会・ガバナンス)に優れた企業から構成されるインデックスです。カシオ計算機は、2014年9月より継続して組み入れられています。

  • 2017年にMSCI Global Sustainability Indexesから名称変更
MSCI ACWI ESG Leaders Indexの画像です。

モーニングスター社会的責任投資株価指数

カシオ計算機は、モーニングスター株式会社(日本)が国内上場企業のなかから社会的に優れた企業と評価する150社を選定し、その株価を指数化した「モーニングスター社会的責任投資株価指数(MS-SRI)」に2004年9月から継続して組み入れられています。

モーニングスター社会的責任投資株価指数の画像です。

SNAMサステナビリティ・インデックス

カシオ計算機は、損保ジャパン日本興亜損保アセットマネジメント(SNAM)が独自に設定する「SNAMサステナビリティ・インデックス」の構成銘柄に2017年6月から組み入れられています。SNAMが2012年8月より運用を開始した「SNAMサステナブル運用」は、ESG(環境、社会、ガバナンス)の評価が高い企業に幅広く投資する、年金基金・機関投資家向けの責任投資プロダクトで、調査会社によるESG評価を重視して投資銘柄を選定したうえで、独自のアクティブ・インデックス「SNAMサステナブル・インデックス」に基づいて保有ウェイトを決定する運用手法です。

SNAMサステナビリティ・インデックスの画像です。

また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、2017年7月に選定した3つのESG(環境・社会・ガバナンス)指数全ての構成銘柄に採用されています。

FTSE Blossom Japan Index

FTSE Russel社が開発したESG対応に優れた企業のパフォーマンスを反映するインデックスで、ESGに関する多様な基準を満たしている企業で構成されています。

FTSE Russell (FTSE International Limited と Frank Russell Companyの登録商標)はここにカシオ計算機が第三者調査の結果、FTSE Blossom Japan Index組み入れの要件を満たし、本インデックスの構成銘柄となったことを証します。FTSE Blossom Japan IndexはグローバルなインデックスプロバイダーであるFTSE Russellが作成し、環境、社会、ガバナンス(ESG)について優れた対応を行っている日本企業のパフォーマンスを測定するために設計されたものです。FTSE Blossom Japan Indexはサステナブル投資のファンドや他の金融商品の作成・評価に広く利用されます。

FTSE Blossom Japan Indexの画像です。

MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数

MSCI社による指数で、日本株の時価総額上位500銘柄から、ESG評価が高い企業を選定して構築されています。

MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数の画像です。

MSCI 日本株女性活躍指数

MSCI社による指数で、日本株の時価総額上位500銘柄から、各業種の中で性別多様性に優れた企業を選定して構築されています。

MSCI 日本株女性活躍指数の画像です。

その他

健康優良法人

経済産業省と日本健康会議が主催する、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。カシオは、2018年2月20日に認定されました。

健康優良法人の画像です。