経営理念とカシオのCSR

カシオの経営理念「創造 貢献」は、独創的な発明品によって人々の生活を便利で豊かにしたい、という創業者の志から生まれました。カシオが目指すCSRとは、カシオで働く一人ひとりがこの経営理念をしっかりと継承し、「0→1」を生む事業活動を通じて持続可能な社会の発展に継続的に貢献し続けることです。

持続可能な社会の実現に向けたカシオの挑戦

近年、「人類の持続可能性」が問われていることは周知の通りです。人々の暮らしを豊かにしてきた経済活動は、その反面、地球環境や社会生活に大きなひずみをもたらしています。私たちには、このような危機的な状況を地球社会全体で乗り越え、将来世代に持続可能な社会を引き継ぐ責任があります。持続可能な社会の実現には、個人、企業、政府、国際機関など、あらゆるレベルでの積極的な取り組みが期待されますが、個人に比べ企業の社会に与える影響が圧倒的に大きいこと、また上記のひずみの原因に企業活動の結果も含まれることから、特に企業による主体的・積極的な課題解決への取り組みに対して、社会からの期待・要請が急速に高まってきています。こうした取り組みは企業の社会的責任(CSR)と呼ばれていますが、近年、ESG投資(企業のESG(=CSR)への取り組みを重視する投資)が全世界で幾何級数的に増加してきている現状においては、CSRへの取り組みを怠り、しかるべき社会的責任を果たさない企業は、もはや投資家から投資対象とは見なされなくなり、価値のない企業として社会から存続を許されなくなります。

カシオの経営理念「創造 貢献」には、それまでにない斬新な働きを持った製品を提供することで、社会貢献を実現するという創業者の想いが込められています。カシオのCSRとは、カシオで働く一人ひとりがこの経営理念をしっかりと継承し、「0→1」を生む事業活動を通じて持続可能な社会の発展に継続的に貢献することです。

カシオでは、企業理念を実現し続けるため、カシオ人として期待される意識と行動の基本原則である「カシオ創造憲章」を定めていますが、昨年の創業60周年を契機に、創造憲章を見直す機運が高まりました。創造憲章は全ての従業員にとって「迷った時の羅針盤」たるべきという、社長の強い思いを反映し、現行の創造憲章の精神は継承しつつも、より実践的で、より胸落ちするものとするよう、プロジェクト・チームによる改訂作業が進められています。
カシオはまた、グループのすべての役員・従業員が法令・社内規則などを遵守し、倫理的観点から適切に行動するための規範として「カシオグループ倫理行動規範」を定めています。倫理行動規範については、カシオグループを取り巻く社内外の環境変化を踏まえ、人権、サプライチェーンマネジメント、腐敗防止等、国際社会からの期待、要請が高い項目を中心に見直しを図り、改訂を実施いたしました。(2013年6月、2016年11月)

現在、世界では経済・環境・社会のすべての側面において、深刻かつ複雑な問題が多発しており、その解決策も含め、社会のあり方が問われています。そうした有限な地球において事業を継続する以上、社会の一員として持続可能な社会を目指さなければなりません。
従って、カシオは「創造 貢献」の経営理念に基づき、常に社会に新しい価値を提供すると同時に、事業運営上直接間接に関係する社会・環境課題として、具体的に次の3つのマテリアリティを定め、持続可能な社会への貢献を目指します。そしてそれぞれの課題に対しあるべき姿を思い描き、具体的な取り組みとして確実に推進していきます。

カシオの環境マテリアリティと中期目標

【1】低炭素社会の実現

【中期目標】
カシオグループ全体の温室効果ガス排出量(スコープ1、2)を

  1. 2013年度基準で2030年度までに26%削減する。
  2. 2013年度基準で2050年度までに80%削減する。

【2】資源循環型社会の実現

【中期目標】

  1. 2030年度までに事業拠点の廃棄物の再資源化率100%を目指す。
  2. 2025年度までにグリーンスター製品の売上比率90%を目指す。
  3. 2025年度までにLCA評価の新機種100%を目指す。

【3】自然との共生

【中期目標】
2030年度までに「持続可能な紙」の使用比率100%を目指す

カシオのCSRのあるべき姿

カシオのCSRのあるべき姿とは、カシオグループが事業運営を通じて、社会から期待される環境社会面の課題の解決を図りつつ、持続的に成長することにより、社会から必要とされ、従業員からも尊敬される会社であり続けることです。

企業価値の向上につながるCSRの推進についての概念図です。

CSR中期方針(2017年度~2018年度)

2015年9月に国連において採択されたSDGs(持続可能な開発目標)と同年11月に発効したCOP21の「パリ協定」、また、世界的なESG投資拡大への流れなどを社会背景に、カシオは今後2年間のCSR中期方針を下記のように策定しました。

  • 事業運営と連動したマテリアリティに基づく社会環境課題の解決に向けた具体的な取組みをSDGs目標と関連付けて推進する
  • 長期環境目標に連動した達成シナリオの制定とEMSの実行を通じた環境パフォーマンスの継続的向上を図る
  • カシオグループ各社のコンプライアンス/ESG情報の集約と継続的レベルアップによる経営基盤の強化を図る
  • カシオグループの全従業員の意識改革/行動変革の促進を図る

これらの中期方針に従い、最重点の課題として以下の3つの課題に具体的に取り組んでいきます。

  1. SDGsへの取り組み
  2. 中長期環境目標への取り組み
  3. ESG情報開示の取り組み

それぞれにKPIを設定し、PDCAサイクルで推進・管理していきます。

カシオのCSR概念図

カシオのCSR概念を図化したものです。

カシオ創造憲章 行動指針

カシオは2003年より、この経営理念を常に従業員が意識して実践するために、カシオで仕事に従事するすべての人の誓いとして、「カシオ創造憲章 行動指針」を定めています。ここにはCSRの3つの側面(経済・環境・社会)とコンプライアンスに対する考え方が包含されています。

カシオ創造憲章

第1章 私たちは、独創性を大切にし、普遍性のある必要を創造します。

第2章 私たちは、社会に役立ち、人々に喜びと感動を提供します。

第3章 私たちは、プロフェッショナルとして、常に誠実で責任ある言動を貫きます。

  • 普遍性のある必要を創造: 誰にとっても必要でありながら、まだ世の中になかったものを、新たに生み出すこと。
    これは製品開発のみならず、すべての業務においてカシオが追求すべきものです。

カシオ創造憲章 行動指針

浸透定着への取組み

こうした考え方を実現するために、「カシオ創造憲章 行動指針」については、役員及び部門長は毎年署名し、自ら遵守すること並びに所属員に周知徹底することを誓約しています。また、全従業員もこれを記載したカードに署名の上、常時携行しています。

この他、「CASIO Style」と題して、経営理念や「カシオ創造憲章 行動指針」に関する、創業者である四人兄弟の逸話や、例えを用いたわかりやすい訓話等を月1回のペースでWeb上に連載し、グループ全従業員への理解促進と定着を図っています。

さらに1年おきの割合で、国内の全グループ会社の従業員を対象に、「カシオ創造憲章 行動指針」、「カシオグループ倫理行動規範」、「公益通報ホットライン」に関する総合的なアンケートを実施し、それぞれの定着度合い等を分析しています。
アンケートの結果は、さまざまな浸透定着策の立案に生かされています。

また、2012年から毎年、主に従業員向けにCSR Communication Bookを発行し、創造憲章の各章について具体的な事例を紹介することで、創造憲章の理解浸透を図っています。

CSR推進のフレームワーク

カシオは、2010年には国連グローバル・コンパクトに参加し、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」から構成される10原則を支持するとともに、企業活動全般に取り入れています。
CSRの推進にあたっては、社会的責任に関する国際ガイダンス規格「ISO26000」を参考としています。また、GRIガイドラインを参考にして開示項目を選定するなど、国際社会の要請に応える内容を備えたCSR活動の充実に努めています。

CSR推進のフレームワークを図化したものです。

「国連グローバル・コンパクト」への加盟

カシオ製品はグループ内企業だけではなく、国内外を問わず多くの部品メーカーや製造委託先企業のご協力によって作られています。また、世界中の流通を通じて、世界140カ国に販売されています。
こうしたグローバルなサプライチェーンを持つカシオにとって、世界中の消費者の方々に安心してカシオ製品を購入していただくためには、少なくともサプライチェーン全体で国際社会の持続的成長に向けた世界共通の原則を支持し、これを遵守していく必要があります。
このため、カシオは2010年12月に社長がGCとその原則への支持を表明する書簡に署名し、「グローバル・コンパクト」に加盟しました。そして、グループ内への周知徹底と、原則の実現に向けた具体的取り組みを推進するとともに、その実施状況を適切に開示しています。
また、日本におけるローカル組織である「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」(GCNJ)のメンバーとして、分科会に積極的に参加し、他企業の皆様との情報の共有や協同によって昨今の課題解決に取り組んでいます。

国連グローバル・コンパクトの10原則

<人権> 企業は、
原則1.国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、
原則2.自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである。

<労働基準> 企業は、
原則3.結社の自由と団体交渉の実効的な承認を支持し、
原則4.あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、
原則5.児童労働の実効的な廃止を支持し、
原則6.雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである。

<環境> 企業は、
原則7.環境上の課題に関する予防原則的アプローチを支持し、
原則8.環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、
原則9.環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである。

<腐敗防止> 企業は、
原則10.強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである。

2017年度GCNJ分科会参加実績

  • ヒューマンライツデューデリジェンス分科会
  • WEPs分科会
  • レポーティング研究分科会

SDGsへの取り組み推進

2015年9月、国連本部において「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が全会一致で採択されました。この世界共通のアジェンダで掲げられた目標が「SDGs(持続可能な開発目標)」であり、17の目標と、169のターゲットから構成されています。
SDGsは2030年に向けた世界的な優先課題と、世界のありたい姿を明らかにしたもので、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会など、世界を持続可能な軌道に乗せるための具体的な機会を示すものです。
SDGsができたことによって、カシオの経営理念「創造 貢献」を実現するための「貢献」のターゲットがより明確になりました。
現在、カシオでは、各事業とSDGsの連携を模索しており、当社の事業活動がSDGsとどのようにかかわっているのか、専門家を交え棚卸しを行っているところです。事業活動におけるSDGsがもたらす機会とリスクについては、サステナビリティレポート2019年版において、マテリアリティと併せ公開予定です。

SDGsが事業活動にもたらす機会の事例は、以下のとおりです。

途上国の子どもたちの数学力向上を目指して ~GAKUHAN活動におけるパートナーシップ~

SDGsロゴマーク画像です。