環境・社会側面のマテリアリティ
※このページでは、見直し前のマテリアリティ(2015年度~2023年度)の内容を掲載しています。最新のマテリアリティについては、こちらをご覧ください。
考え方
グローバルに事業展開するカシオにとって、国際社会からの要請に基づいて取り組みを推進することは極めて重要です。近年では、持続可能な社会の実現に向けた潮流も変化し、企業に事業活動(本業)を通じてより戦略的に取り組みを行うことが期待されるようになりました。カシオもその例外ではなく、これまで取り組んできた「0→1」を生む事業活動を通じた貢献を、より戦略的に実施することが求められています。
こうした流れを受けて2013年5月に発行されたGRIガイドライン第4版(G4)に対応し、カシオが重点的に取り組むべきマテリアリティを特定しました。今後は特定した課題についての取り組みを進め、サステナビリティマネジメントのPDCAサイクルにて取り組みの進捗を図っていきます。
KPI・実績
評価 ◎:すべての目標達成、○:目標をおおむね達成、△:成果より課題が残る、×:進捗なし
カシオのマテリアリティ | 2023年度の目標とKPI | 2023年度実績 | 評価 |
---|---|---|---|
脱炭素社会の実現 | 「マーケット基準」に基づき、グループ企業の温室効果ガス排出量(スコープ1、2)を2018年度基準で16%以上削減する | 2018年度基準で44%削減 | ◎ |
実施したサプライチェーン調査の集計および対応検討 | サプライチェーン調査を実施し結果を集計した。ただし、これを踏まえた今後の対応については、検討課題となった。 | 〇 | |
資源循環型社会への対応 | カシオグリーンスター製品売上比率80%を目指す | 売上比率71.6% | 〇 ※2 |
廃棄物および有価物合計量を2019年度比4%以上削減する | 廃棄物および有価物合計量を2019年度比46.3%削減 | ◎ | |
埋立廃棄率※1 4%以下を目指す | 埋立廃棄率 4.4% | 〇 ※2 |
|
取水量を2019年度比4%以上削減する | 取水量を2019年度比17.9%削減 | ◎ | |
自然との共生 | 中長期目標の再設定に向けて検討する。 | 国内外の動向に関する情報収集・分析 | △ |
CSR調達の推進 | (1) 各拠点・お取引先のCSR教育 |
各拠点・お取引先のCSR教育 |
〇 |
中国にて訪問監査実施 | 中国およびタイにて訪問監査12社実施 | ||
(2) CSRアンケートの実施 | 世界391社のお取引先にCSRアンケートを実施 | 〇 | |
392社中391社より回収 | |||
働きやすい職場環境の提供とダイバーシティの推進 | ■健康経営の推進 | ||
男性の出産・育児に係る休業・休暇の取得率80% | 82.6% | ◎ | |
定期健康診断再検査受診率80% | 81.7% | ◎ | |
適正体重維持者率70% | 69.3% | 〇 | |
喫煙率13.1% | 13.5% | △ | |
■自律人材の育成 | |||
キャリア研修カバー率(正社員)38.2% | 43.7% | ◎ | |
ジョブチャレンジ実施延べ経験人数146人 | 143人 | 〇 | |
■マネジメント強化 | |||
次期役員候補育成人数10人 | 9人 | 〇 | |
次期女性管理職候補育成人数17人 | 17人 | ◎ | |
管理職に占める女性の割合7% | 6.3% | 〇 | |
正社員の男女の賃金の差異75% | 75.7% |
◎ | |
※全ての労働者: 67.7% | |||
■他 | |||
新卒女性採用比率25%以上 | 2024年4月入社53名中、女性22名(41%) | ◎ | |
障がい者法定雇用率連結2.5%以上 | 連結2.41%(2024年4月現在) | 〇 | |
人権の尊重 | 人権課題チェックとフィードバックの実施︓全生産系グループ会社 | 全生産系グループ会社2021年度に対し、人権課題チェックを実施。 | △ |
サステナビリティリーダーへの人権専門教育の実施 | 2024年2月にサステナビリティリーダーを対象として、社外有識者を招き、「ビジネスと人権(LGBTQと企業)」をテーマとした講習会を実施した | 〇 |
※1 埋立廃棄率=(最終埋立処分量÷廃棄物および有価物合計量)×100
※2 目標値に対し80%以上を達成した事により、〇評価と判断
マテリアリティ特定のプロセス
STEP1 自社にとっての重要性の特定
2014年度にカシオの事業分野、事業領域などに即して詳細に課題を整理し、自社における優先順位を整理しました。
STEP2 ステークホルダーにとっての重要性の特定
2015年度にステークホルダーへのアンケート・ヒアリングを実施し、ステークホルダーの視点から重要と考えられる課題を整理しました。
STEP3 まとめと最終化
2015年度にはSTEP1・STEP2での協議結果をもとに最終的にはCSR担当役員の承認を得てカシオのマテリアリティを決定しました。
STEP4 KPIの策定と推進
2016年度には特定されたマテリアリティに即して、各責任部門において、その取り組みを定量的に評価するためのKPI※を策定し、PDCAサイクルで活動を管理しながら推進を図ります。
※ KPI: Key Performance Indicator(重要業績評価指標)
STEP1 自社にとっての重要性の特定
GRIガイドライン第4版が提示している46の側面について、事業セグメントや、各セグメントにおけるバリューチェーン、展開する地域などを評価項目として、側面ごとに自社におけるリスクや自社が与える影響度の大きさを分析し、重要な側面を整理しました。さらに、整理した側面について、CSR主管部門において精査し、自社軸として最終化しました。
STEP2 ステークホルダーにとっての重要性の特定
GRIガイドライン第4版に基づき、46の側面を「経済」「環境」「労働慣行」「人権」「社会」「製品責任」の6つに分類し、それぞれについて関係性の深いステークホルダーとのコミュニケーションを通じて、重要性を特定しました。
お客様や従業員に対しては、アンケートを実施することで、ステークホルダー視点で重要性の高い側面を導き出し、さらにそれぞれのテーマを専門とする有識者へのアンケートおよびヒアリングを通じて、社会からの要請を整理し、ステークホルダー軸として最終化しました。
経済
高崎経済大学 教授
水口 剛
環境
WWFジャパン自然保護室 室長
東梅 貞義
労働慣行
中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)教授
佐藤 博樹
人権
東京経済大学 教員
寺中 誠
社会
一般財団法人CSOネットワーク 事務局長・理事
黒田 かをり
製品責任
公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会
常任顧問 辰巳 菊子
STEP3 まとめと最終化
STEP1・STEP2で導き出した側面をマッピングし、優先度が高く位置づけられた側面を中心に8のマテリアリティを特定しました。最終的にはCSR担当役員の承認を得てカシオグループにおける中期的なマテリアリティとして定めました。
カシオのマテリアリティ

カシオのマテリアリティ | マテリアルな側面 | バウンダリー | |
---|---|---|---|
社内 | 社外 | ||
資源循環型社会の実現 | 製品及びサービス | ● | ● |
低炭素社会の実現 | エネルギー | ● | ● |
大気への排出 | ● | ● | |
自然との共生 | 生物多様性 | ● | ● |
CSR調達の推進 | サプライヤーの環境評価 | ● | ● |
サプライヤーの労働慣行評価 | ● | ● | |
サプライヤーの人権評価 | ● | ● | |
サプライヤーの社会への影響評価 | ● | ● | |
働きやすい職場環境の提供とダイバーシティの推進 | 雇用 | ● | |
多様性と機会均等 | ● | ||
人権の尊重 | 投資 | ● | ● |
非差別 | ● | ● | |
結社の自由と団体交渉 | ● | ● | |
児童労働 | ● | ● | |
強制労働 | ● | ● | |
人権評価 | ● | ● | |
人権に関する苦情処理制度 | ● | ● | |
腐敗防止の取り組み | 腐敗防止 | ● | ● |
経済的パフォーマンスの最大化 | 経済的パフォーマンス | ● | ● |
STEP4 KPIの策定と推進
KPIの策定
特定されたマテリアリティに即して、担当する主管部門において、取り組みを定量的に評価するためのKPIを検討しました。CSR担当役員の承認を経て最終化し、2016年度の活動より取り組みを進めています。
※ KPIについては、冒頭の「KPI・実績」をご参照ください。