人材育成

マネジメント

社会的背景

事業環境の急激な変化や多様な働き方など、企業がその変化に柔軟に対応し、成長し続けるためには従来の会社主導の能力開発だけでなく、会社と社員がwin-winの関係をつくり、共に成長し続ける環境をつくっていくことが大切と考えています。

関連するSDGsの画像です。

方針

カシオでは、「社員一人ひとりの自律・成長と共に、会社も成長・発展していく」という考え方から、社員それぞれが自律的に必要なスキルを得られるような体制を整備し、社員個人の成長を支援していきます。

特に、各年代のキャリアの節目でキャリア研修や面談の実施、スペシャリストとしてのキャリアを支援する研修の充実、上司の業務支援やキャリア支援向上のための研修を充実するなど、社員のキャリア形成支援の取り組みを強化していきます。

また、各社員に与えられた役割を果たすために必要となるベースの知識やスキルを身につけるための階層別研修については、今後も継続して実施していきます。

体制

人事部では、人材育成にかかわる全社的な施策の検討および全社共通教育の企画、推進を行っています。なお、それぞれの部門で必要となる専門スキルについては、各本部と人事部で連携しながら、企画、推進を行っています。

活動実績

人材開発体制の概要

人材育成体系

人材開発の体系図です。

カシオの人材開発は「挑戦意志に溢れる創造的人材の育成」と「早期の専門分野確立によるプロ化」を目的として、さまざまな制度を整備しています。

人材開発体系は、OJT(実務を通じたスキルアップ)を重視し、Off-JT(研修制度)を理論習得などの補完的な位置付けとしています。また、社内格付制度の全階層に対して、必要な育成施策を実施し、常に改善・拡充に努めています。

2019年度からは、キャリア形成支援施策として、社員一人ひとりが自律し、やりがいをもって活き活きと働くために「キャリアサポート制度(後述)」を導入しました。社員が年に一度、自身のキャリアを棚卸し、今後のキャリアプランを考えることを軸に、社員一人ひとりが自分自身でキャリアを描いていけるサポートをしていきます。

年間平均研修時間 (カシオ計算機)

2019年度の年間平均研修時間は、男性7.2時間、女性7.9時間となっています。(2018年度は男性6.1時間、女性4.4時間)2019年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、一部研修を中止しました。2020年度はオンライン研修の拡充等により、研修時間を確保していきます。

平均研修時間

平均研修時間のグラフです。

業績とキャリア開発についての定期的評価を受けている従業員の比率 (カシオ計算機)

業績とキャリア開発についての定期的評価を受けている従業員の比率 (カシオ計算機)の画像です。
社員昇格比率

人材の活用と育成に関する点検・検査

先ず、Off-JT(研修制度)については、各研修を実施の都度、受講者へのアンケートを実施し、その要望・意見を次年度以降の改善につなげています。次に、OJT(実務を通じたスキルアップ)については、キャリアプラン制度(後述)の登録実施時に、人事/人材開発制度全体について意見を登録できる仕組みとしています。さらに、新たな制度を制定する際は、事前のヒアリングや試行実施による検証などを行い、より効果的な運用を目指しています。

2019年度の総括と今後の課題

2019年度は、 キャリアサポート制度を導入し、社員が活き活きと働くために、定期的にキャリアを考えることができる体制を構築しました。それに伴い、社員の自主性をさらに引き出すためマネジャー研修を刷新しました。

2020年度は、キャリアサポート制度のさらなる充実を図るため、受講者のアンケートやヒアリングをもとに改善を図っていきたいと考えています。また、オンライン研修を拡充し、研修を柔軟に実施できる体制を整備していきます。

主な制度の紹介

■キャリアサポート制度

会社や社員の取り巻く環境が変化する中、社員一人ひとりが納得したキャリア形成を実現していくことで、働きがい、やりがいを持って活き活きと働け、かつ、会社も共に成長・発展していけると考えています。そのために社員が年に一度、自身のキャリアを棚卸し、今後のキャリアプランを考えることを軸に、社員一人ひとりが自分自身でキャリアを描いていけるサポートをしていきます。

キャリアサポート制度の図です。
【キャリアプラン】

年に1回、自身のキャリアを棚卸し、今後のキャリアプランを計画する制度です。キャリアプランでは、今後のキャリアの方向性や希望職務内容を申告しています。登録内容は、上司へフィードバックし、育成ローテーション、教育機会等の参考として活用しています。

【キャリア研修】

社員が各年代のキャリアの節目(30歳、40歳、49歳)で自身を見つめ直し、働き方を考える支援として、キャリア研修とキャリア面談を実施しています。

なお、2019年度は、キャリア研修を195名が受講しました。今後も継続的にキャリア形成の支援を促進していきます。

キャリア研修の図です。
【スペシャリスト育成支援】

スペシャリストとしてのキャリアを支援するために、研修メニューを充実し、エンジニア向けに専門性を高めるための研修を拡大、充実していきます。
新人研修では、技術基礎スキルの習得を目的とした集合研修およびクリエイティブラーニングワークショップを実施し、エンジニアとしての基礎力構築を図っています。
また、自身の技術領域の必要スキル獲得のため、スキル選択型研修(専門スキル)を実施しており、必要な科目を約600コースから選択受講できる体制を整備し、専門性向上の支援を行っています。このほか、選抜型の異業種交流研修を実施し、他社のエンジニアとともに課題に取り組むことで能力を相互に学び、刺激しあうことにより、視野の拡大や成長スピードを加速するための支援を行っています。エンジニアの専門性を高めるための施策を今後も検討していきます。

【マネジャー研修】

社員が自律的にキャリアを形成していくためには、上司の適切なマネジメントが不可欠です。そのため、部下が主体的に行動する組織の運営方法や、部下のやる気を引き出すマネジメント手法の習得等、実践的な内容に加え、新しい評価制度における目標(KPI)設定、評価、フィードバック面談についても理解を深めています。

【ジョブチャレンジ】

本制度は、新たな職務や未経験職務にチャレンジしたい人を支援するものです。部門の人材ニーズに基づいて募集を行い、活発なローテーションを図ることで、組織の活性化と適正な配置を実現していきます。
また、従来の配置制度では対象外としていたシニア社員も本制度の対象とし、定年後も今までの豊富な経験を活かして活き活きと活躍できる環境を整備していきます。

【セカンドキャリア支援】

50代・60代の社員が、人生設計を考え、自律的な生き方・働き方を描くために、転進支援サービス、兼業・副業制度を導入し、キャリア実現の支援を行っています。

■新入社員研修/1年目フォロー研修/2年目研修

若年層社員向けの各階層別研修であり、カシオ社員としての基礎を学ぶ場であるとともに、自己のキャリア方向性を考える機会として、入社時・1年目・2年目にそれぞれ実施しています。

■スキル選択型研修

一般社員全般を対象として、業務遂行に必要な多様なスキルを効果的かつ効率的に体得する事を目的として制定したもので、社内講座、社外公開講座のさまざまな研修コースから必要なものを選択して受講できる研修体系です。対象とするスキルは「専門スキル」「思考スキル」「対人スキル」の3系統に分類されています。

なお、2020年度より、若手社員を計画的に育成するため、若年層に必要なスキルを体系化しました。新卒入社1年目~5年目の社員は、指定されたスキル選択型研修を年1回必ず受講するよう改定します。これにより、若年層の基礎力向上を図っていきます。

■TERAKOYA

“伝えたい人”、“知りたい人”を具体的なテーマのあるワークショップやセミナーという共通目的で結びつけ、人的ネットワークと個々人のスキル向上を図っています。

さまざまな職種、背景を持つ人が、タテ・ヨコ・ナナメを意識せずフラットな関係でワークショップやセミナーを通して同じテーマ・同じ場で机を囲み、 業務に活かすことができる人的ネットワークをつくり、全体としてのコミュニケーションを活性化する一つのトリガーになることを期待しています。

■テクノパワー

技術開発者の活性化および技術の共有化と蓄積を目的として、展示会を中心に毎年開催しているイベントです。社内で生まれた新技術やノウハウを公募し、技術水準の高い案件や優れたコンセプトの案件を表彰しています。成果発表/表彰の場を設けることで新技術への挑戦を促進しています。

■社内セミナー

社外の先端技術の第一人者や革新的な製品開発・事業創造を成し遂げたイノベーターによる講演会です。主に技術開発者に対して、技術動向やトレンドの理解/開発マインドの高揚・挑戦意欲の醸成を図る事を目的としています。テーマは、独創性・技術水準が高い先端技術動向や新商品を生み出す為の発想法、近年は技術トレンドに留まらず多面的な視点から選定し、開催しています。

■語学検定

TOEICやVERSANT等の語学検定も年3回実施しており、効果測定の機会を継続的に設ける事で学習意欲を促進しています。

適材適所の実現

2019年度よりジョブチャレンジ制度を導入し、本人意思を重視した適材適所の実現、自律的キャリア形成を支援しています。また、希望者にはキャリア面談を実施し、自己のキャリア方向性を検討するにあたっての支援を適宜行っています。さらに、各部門長には、配下の人材開発情報が網羅的に確認できるイントラネット・データベースを公開しており、部門内育成に積極的に活用しています。また、本人のチャレンジを通常の業務にも反映しやすくするために、チャレンジしたい業務を申告し、上司と共有を図り、業務分担、ローテーション等に役立てています。

グローバル人事戦略

カシオグループでは、既存事業/新規事業の全事業分野において、世界展開の強化を図っています。海外グループ会社の人事機能強化、世界基準で活躍できる人材を育成する仕組みの構築など、グローバル人事戦略の構築を開始しています。

目指すべきグローバル人材像

カシオのグローバル社員は、リーダーシップを発揮するために、常にHeadquartersの視点で考える必要があります。日本を世界の中の1つのエリアと考え、世界を俯瞰して捉えて業務を推進する意識改革の重要性を、様々な場面やツールを用いて人事部からメッセージを発信し、社員と共有しています。

目指すべきグローバル人材像
目指すべきグローバル人材像の過去と将来を図と文章で説明しています。

目指すべきグローバル人材像を多角度から説明しています。

全世界で勝てる人材を説明しています。

海外赴任者役割基準の構築

海外赴任適性がある人材を増やすことも重要ですが、海外赴任者にしかできない役割に対してのみ海外赴任をアサインすることで、現地社員との役割分担を明確化し、現地社員の育成・登用の機会を増やすことにも心掛けています。全世界のカシオ社員が適材適所で活躍できるように基準表を策定し、チェック体制を整備していきます。

海外赴任基準表の活用イメージ図
海外赴任基準表の活用をイメージ図で表現しています。

海外赴任決定者に対する現地情報提供や異文化マネジメント力の醸成

赴任決定者に対し、赴任先ミッションに応じた階層別の育成を体系的に実施しています。
経営幹部に対する「拠点経営スキル研修」、全赴任者に対する「異文化対応マネジメント研修」「赴任地事情の提供」を行うほか、拠点での生活サポート強化を目的とし、安全対策や帯同子女のための教育情報を提供しています。

赴任前研修体系
赴任前研修体系を図解しています。
  • ※1 異文化コミュニケーションスキルの習得及び多様性の高いメンバーをマネジメントしていくための実践的なポイントの習得

グローバルキャリアパス

持続的にグローバル人材を育成するためには、人事から社員に対する直接的なアプローチだけでなく、現場で仕事を通じて成長できるように、グローバル人材を育成できる人材をマネジャーとして育成・登用する必要があります。そこで、従来のキャリアパスをグローバルキャリアパスに発展させました。海外営業以外を担当している社員が、少しでも視野を広く持てるように、係長、課長、部長になるまでに幅広い経験を得られるように配置強化しており、今後の育成・配置計画に活かしていきます。

グローバルキャリアパス(営業系)
営業系のグローバルキャリアパスを図解しています。

グローバル人事ガバナンス体制

海外グループ会社では、カシオグループ共通の経営理念を反映しつつ、各国の地域性、価値観、法律等を考慮して運営しています。
現地人事部門のメンバーとの直接対話を通して現地の問題や事情、カシオグループとしての思想等、積極的に意見交換や制度設計のアドバイスを行っています。

グローバル人事ガバナンス体制を図解しています。