人材育成

考え方

社会的背景

事業環境が急激に変化する中で、企業がその変化に柔軟に対応していくためには、今後は特定のスキルに特化した人材ではなく、多様な職務に対応できる人材を育成していくことが、組織力強化や生産性向上に繋がると考えています。

関連するSDGsの画像です。

方針

上記を踏まえ、カシオでは、各社員に与えられた役割を果たすために必要となるベースの知識やスキルを身につけるために階層別研修を用意しています。また、時代の変化にあわせてその時々で必要となる先端技術やトレンド等については、職種別研修やスキル付与の研修、社内セミナー等で、幅広く身につけられる機会を提供していきます。社員それぞれが自律的に必要なスキルを得られるような体制を整備し、社員個人の成長を支援していきます。

マネジメントアプローチ

体制

人事部では、人材育成にかかわる全社的な施策の検討および全社共通教育の企画、推進を行っています。なお、それぞれの部門で必要となる専門スキルについては、各本部と人事部で連携しながら、企画、推進を行っています。

活動実績

人材開発体制の概要

人材育成体系

人材開発の体系図です。

カシオの人材開発は「挑戦意志に溢れる創造的人材の育成」と「早期の専門分野確立によるプロ化」を目的として、さまざまな制度を整備しています。

人材開発体系は、OJT(実務を通じたスキルアップ)を重視し、Off-JT(研修制度)を理論習得などの補完的な位置付けとしています。

人材開発体系は社内格付制度の全階層に対して、必要な育成施策を実施していますが、常に改善・拡充に努めています。中でも、「現職プロ化施策」と「階層別研修」は、該当するすべての社員に適用しています。なお、社内イントラネット上の人材育成のページには、各種制度の説明とともに、制度を利用した社員の声を掲載しており、成功例や好事例を知ることで、制度の利用促進と啓発支援に努めています。

また上記体制以外にも、53歳、58歳を対象とした「ライフプランセミナー」を国内の全グループを対象に開催(2017年度は53歳 162名、 58歳 96名 総勢 258 名)。今後のキャリア、能力開発を始め、定年時の退職金や年金制度、再雇用制度、健康管理など、60歳以降のシニアライフに向けたサポートをしています。なお、受講した約90%が受講してよかったと回答しており、将来のライフプランを考える良いきっかけになった等の意見も複数あることから、今後も継続的に支援をしていきます。

年間平均研修時間 (カシオ計算機)

現在、育成施策全体の見直しを行なっております。思想が浸透した研修や、内容が重複する研修は廃止し、強化するべきものについては、今後順次追加を行っていきます。
(これらの見直しの影響により、2017年度は平均研修時間が減少しています)

年間平均研修時間 (カシオ計算機)の画像です。
「※選抜型、階層別、スキル選択型研修」

業績とキャリア開発についての定期的評価を受けている従業員の比率 (カシオ計算機)

業績とキャリア開発についての定期的評価を受けている従業員の比率 (カシオ計算機)の画像です。

人材の活用と育成に関する点検・検査

先ず、Off-JT(研修制度)については、各研修を実施の都度、受講者へのアンケートを実施し、その要望・意見を次年度以降の改善につなげています。次に、OJT(実務を通じたスキルアップ)については、キャリアチャレンジ制度(後述)の登録実施時に、人事/人材開発制度全体について意見を登録できる仕組みとしています。さらに、新たな制度を制定する際は、事前のヒアリングや試行実施による検証などを行い、より効果的な運用を目指しています。

2017年度の総括と今後の課題

2017年度は、スキル選択型研修に社外公開講座を導入し、必要スキルが幅広く習得できる体制を構築しました。また、技術開発者の活性化および技術の共有化と蓄積を目的として実施しているテクノパワーについて、全エンジニアが参画できるイベントとして内容を刷新しました。2018年度は研修体系を大きく見直す予定としており、マネジャー教育の刷新や社員のキャリア開発等の強化を図っていきたいと考えています。

主な制度の紹介

キャリアチャレンジ制度

社員が定期的に自己のキャリア・スキル・挑戦意思を会社に登録し、上司の育成方針とともに、今後の配置計画において重要な参考とするものです。現職で挑戦したいテーマ等も登録し、上司と共有することで、社員が生き生きと活躍する職場環境の実現にも役立てています。

キャリアチャレンジAdvanced

現職が一定期間以上の社員が、自己の成長と会社へのさらなる貢献を目的に、新しい能力が要求される環境/職務への挑戦を希望する場合、希望部門のニーズに適合すれば優先配置する制度です。連結グループ会社にも徐々に拡大し、チャレンジ希望は毎年増加しています。引き続きグループ内の活性化を促進していきます。

連結人材公募制度

会社のビジネスニーズと社員のキャリア志向の両立を図り、会社が公募した職務への応募者を選考の上、適材を優先的に配置する制度で、グループ会社を含めた連結展開を行っています。

新入社員研修/フォロー研修/キャリア開発研修

若年層社員向けの各階層別研修であり、カシオ社員としての基礎を学ぶ場であるとともに、自己のキャリア方向性を考える機会として、入社時・1年後・2年後・3年後にそれぞれ実施しています。

スキル選択型研修

一般社員全般を対象として、業務遂行に必要な多様なスキルを効果的かつ効率的に体得する事を目的として制定したもので、社内講座、社外公開講座のさまざまな研修コースから必要なものを選択して受講できる研修体系です。対象とするスキルは「専門スキル」「戦略スキル」「対人スキル」の3系統に分類されています。社内実施の研修は異なる職種の社員が同じ研修を受講することで、社内ネットワークづくりの場としても機能しています。

テクノパワー

技術開発者の活性化および技術の共有化と蓄積を目的として毎年開催しているイベントです。社内で生まれた新技術やノウハウを公募し、独創性・技術水準の高い優れた案件を表彰しています。成果発表/表彰の場を設けることで新技術への挑戦を促進しています。従来は、技術審査員・役員による技術論文審査にて賞を決定していましたが、2017年度は展示会参加者が審査する方式へ変更し、全エンジニアが参画できるイベントとして内容を刷新しました。

表彰実績(件数)
  2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
優秀技術賞 3 4 7 5
奨励賞 7 9 8 7
10 13 15 12
  2017年度
総合評価賞 3
技術項目賞 4
特別賞 1
8

社内セミナー

社外の先端技術の第一人者や革新的な製品開発・事業創造を成し遂げたイノベーターによる講演会です。主に技術開発者に対して、技術動向やトレンドの理解/開発マインドの高揚・挑戦意欲の醸成を図る事を目的としています。テーマは、独創性・技術水準が高い先端技術動向や新商品を生み出す為の発想法、近年は技術トレンドに留まらず多面的な視点から選定し、開催しています。毎回平均約170名の社員が参加しています。

語学研修

社員の語学力向上を目的とした研修です。社員が自宅でいつでも受講できるオンライン英会話研修や、集合型のグループレッスン(英語・中国語等)、英会話セミナーなど、社員のニーズに合わせ多様な形式で語学研修を実施しています。延べ80名程度の社員が研修を受講しており、都度研修内容の見直しも行い、社員がより利用しやすい研修制度を目指しています。

ベンチャー制度

組織の壁を越えた事業提案機会の提供により、社員活力の向上/事業を開発できる優秀な人材の発掘/育成を行い、新規ビジネスの早期立上げ実現することを目的とした制度です。社員個々が考案したアイデアを自らマネジメントし、経営トップに直接提案でき、経営として承認した良質なテーマについては、自らがテーマリーダーとなり、実現へ向け推進することができます。応募件数はのべ100件を超し、事業化が実現した案件も出てきていますので、今後も継続的な提案ツールの一つとして活用していきます。

適材適所の実現

キャリアチャレンジ制度、キャリアチャレンジAdvanced、連結人材公募制度を毎年実施しており、本人意思を重視した適材適所の実現に努めています。また、希望者にはキャリア面談を実施し、自己のキャリア方向性を検討するにあたっての支援を適宜行っています。
さらに、各部門長には、配下の人材開発情報が網羅的に確認できるイントラネット・データベースを公開しており、部門内育成に積極的に活用しています。また、本人のチャレンジを通常の業務にも反映しやすくするために、チャレンジしたい業務を申告し、上司と共有を図り、業務分担、ローテーション等に役立てています。

グローバル人事戦略

カシオグループでは、既存事業/新規事業の全事業分野において、世界展開の強化を図っています。この海外事業拡大へ向けて、海外グループ会社の人事機能強化、世界基準で活躍できる人材を育成する仕組みの構築など、グローバル人事戦略の構築を開始しています。

目指すべきグローバル人材像

カシオのグローバル社員は、リーダーシップを発揮するために、常にHeadquartersの視点で考える必要があります。日本を世界の中の1つのエリアと考え、世界を俯瞰して捉えて業務を推進する意識改革の重要性を、様々な場面やツールを用いて人事部からメッセージを発信し、社員と共有しています。

目指すべきグローバル人材像
目指すべきグローバル人材像の過去と将来を図と文章で説明しています。

目指すべきグローバル人材像を多角度から説明しています。

全世界で勝てる人材を説明しています。

海外赴任者役割基準の構築

海外赴任適性がある人材を増やすことも重要ですが、海外赴任者にしかできない役割に対してのみ海外赴任をアサインすることで、現地社員との役割分担を明確化し、現地社員の育成・登用の機会を増やすことにも心掛けています。全世界のカシオ社員が適材適所で活躍できるように基準表を策定し、チェック体制を整備していきます。

海外赴任基準表の活用イメージ図
海外赴任基準表の活用をイメージ図で表現しています。

海外赴任決定者に対する現地情報提供や異文化マネジメント力の醸成

赴任決定者に対し、赴任先ミッションに応じた階層別の育成を体系的に実施しています。
2013年度より新たに経営トップに対する「海外社長研修」、経営幹部に対する「拠点経営スキル研修」、全赴任者に対する「異文化対応マネジメント研修」「赴任地事情」を加えました。また、2014年には拠点での生活サポート強化を目的とし、安全対策や帯同子女のための教育情報提供等の強化を進めています。

赴任前研修体系
赴任前研修体系を図解しています。

グローバルキャリアパス

持続的にグローバル人材を育成するためには、人事から社員に対する直接的なアプローチだけでなく、現場で仕事を通じて成長できるように、グローバル人材を育成できる人材をマネジャーとして育成・登用する必要があります。そこで、従来のキャリアパスをグローバルキャリアパスに発展させました。海外営業以外を担当している社員が、少しでも視野を広く持てるように、係長、課長、部長になるまでに幅広い経験を得られるように配置強化しており、今後の育成・配置計画に活かしていきます。

グローバルキャリアパス(営業系)
営業系のグローバルキャリアパスを図解しています。

海外グループ会社の人事機能強化

海外事業拡大に伴い世界各地で急増・拡大している海外グループ会社では、今後ますます人事機能の強化が重要課題となってきています。そのような環境下において、カシオグループ共通の経営理念を反映しつつ、各国の地域性、価値観、法律等を考慮した、各社に最適な人事制度を再構築するなど、全世界の人事理念やノウハウ共有によるグループ全体の人事機能強化に取り組んでいます。

グローバル人事ガバナンス体制

現地人事部門のメンバーとの直接対話を通して現地の問題や事情、カシオグループとしての思想等、積極的に意見交換や制度設計のアドバイスを行っています。

グローバル人事ガバナンス体制を図解しています。