人権の尊重

考え方

社会的背景

近年、サプライチェーンにおける紛争鉱物問題や児童労働・強制労働、劣悪な労働環境による事故等の発生等、人権問題が大きな社会問題となっています。こうした中で国連による「ビジネスと人権に関する指導原則」など、国際的な基準に則り企業が人権問題に取り組むことが期待されていることをカシオは認識しています。

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カシオグループにおけるリスクと機会

人権問題への対応が不十分であると、企業のブランド価値が大きく低下し、製品の不買運動や、お取引先からの取引停止といった大きな経営リスクに発展する恐れがあります。
カシオは、今後さらにグローバルな事業展開を進めていくにあたり、「人権の尊重」を重要なCSR課題として認識し、人権に関する国際行動規範に基づき、取り組みを強化していきます。

方針

カシオは、2010年12月から国連の提唱する「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に関する10原則からなる「国連グローバル・コンパクト」へ署名・参加しています。また、従来から「カシオグループ倫理行動規範」において、差別の禁止、児童労働・強制労働の禁止、ハラスメント行為の禁止等、について定め、実践してきましたが、2013年6月に改定を行い、「世界人権宣言」等の人権に関する国際規範の支持、尊重や、労働基本権の尊重について新たに盛り込む他、全体の内容を見直しました。

さらに、今後、グローバルレベルで人権尊重のガバナンスを機能させることが重要であると考え、海外グループ社員や有識者と対話を重ね※1、2014年7月1日に「カシオグループ人権尊重に関する基本方針」を制定しました。本方針では、国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約(社会権規約・自由権規約))、国際労働機関(ILO)「労働の基本原則および権利に関する宣言」等の人権に関する国際行動規範を支持、尊重すること、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権尊重の取り組みを推進していくこと、また、人権デューディリジェンス※2の仕組みを構築した上で、継続的に実施していくことなどを定めています。その他、本方針の中で、当面の人権に関する重点課題として以下を定めています。
<カシオグループ 人権に関する重点課題>
(1)差別の排除 、(2)児童労働、強制労働の禁止、(3)労働基本権の尊重 、(4)適切な賃金支払いおよび労働時間の管理 、(5)多様性の尊重、(6)ワークライフバランス実現の支援、(7)安全な職場環境の確保と健康増進の支援

これら規範、方針については、定期的に見直しを図っており、英国現代奴隷法の施行等カシオグループを取り巻く人権尊重に係る社会環境の変化を踏まえ、2016年11月1日に一部改定いたしました。
今後も、これら規範、方針の周知徹底を図り、取り組みを進めていきます。

また、カシオは、自組織以外においても、お取引先を含めたサプライチェーンとともに人権尊重の考えを普及させることが大切であると考え、すべてのお取引先に、“人権の尊重・差別の禁止”を明記した「お取引先さまへのお願い」を提示し、遵守をお願いするとともに、アンケート調査等を通じて遂行管理の徹底を図っています。

  • ※1 詳細については、2013年版レポートの特集「カシオが考える人権問題」をご参照ください。
  • ※2 「人権デューディリジェンス」とは、自社が社会に与えうる人権への負の影響を予防的に把握し、回避、緩和するために実施される継続的なプロセスをいいます。

「カシオグループ倫理行動規範」

「カシオグループ 人権尊重に関する基本方針」(PDF / 97KB)

「サプライチェーン・マネジメント」

マネジメントアプローチ

体制

サステナビリティ推進部、人事部、サプライチェーン統轄部が中心となって人権尊重の取り組みを推進しています。

マテリアリティのKPIと実績

評価 ◎:すべての目標達成、○:目標をおおむね達成、△:成果より課題が残る、×:進捗なし

2017年度の目標とKPI

2017年度実績

評価

2018年度の目標とKPI

(1)人権課題チェックとフィードバックの実施:
全営業系グループ会社(100%)
人権課題チェックとフィードバックの実施:
全営業系グループ会社29社に実施(100%完了)

(1)人権課題チェックとフィードバックの実施:
全生産系グループ会社(100%)
(2)CSRリーダーへの人権専門教育の実施:
カシオ計算機(100%) 
2017年12月に国内グループ会社のリーダー・ミーティングにて国際人権NGOアムネスティ・インターナショナル様による人権講演&ワークショップを実施(出席率より94%完了)

(2)CSRリーダーへの人権専門教育の実施:
CSRリーダー入れ替えに伴い、カシオ国内グループ全体(100%)
(3)苦情処理の仕組み整備
①国内:認知度UP(継続)
②海外:窓口・ルートの周知・徹底
2017年4月、全グループ会社を対象に「公益通報制度の周知」を目的としてeラーニングを中心に教育実施

(3)苦情処理の仕組み整備:
仕組み確立と全面稼動

活動実績

人権課題チェックの実施

カシオでは、2012年よりISO26000を手引きとして、人権課題の棚卸を行ってきましたが、人権デューディリジェンスの強化に向けた、有効なアセスメントチェック及び人権教育のツールとすべく、デンマーク人権研究所の「人権コンプライアンス・アセスメントチェックツール」を参考に有識者の助言を得ながら、カシオ独自の「人権チェックツール」を策定。2014年は、カシオ計算機を含め国内外のグループ会社において上記の人権に関する重点課題への取り組み状況の棚卸(「人権課題チェック」)を行い、事務局にて課題分析の上、その結果をグループ各社にフィードバックしました。2016年以降は、生産系グループ会社・営業系グループ会社に区分し、1年おきに交互に「人権課題チェック」を実施しています。2017年度は上記の人権に関する重点系グループ会社29社に「人権課題チェック」を実施し、事務局からフィードバックを行いました。
なお、2017年に実施した営業系グループ会社29社については、同じ評価項目に関し、不適合総数が2014年の180から48に減っており、132の改善がなされたと評価しています。
今後も各拠点で改善に向けてのPDCAを回し、グループ全体の人権デューディリジェンスの強化に努めていきます。

教育・啓発活動

カシオでは、人権尊重の意識の浸透を図るために、カシオ計算機と国内外のグループ会社を対象として社内教育を実施しています。2017年度は、年に一度実施するCSR学習の中で、シオのマテリアリティ(CSR重要課題)の1つとして「人権の尊重」をとりあげ、「カシオグループ人権尊重に関する基本方針」や身の回りの人権などについての教育を実施し、理解度についての評価を行いました。

また、2017年12月にカシオ計算機と国内グループ会社で合同開催の「CSRリーダー・ミーティング」(113名が参加)において、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナル日本 土井陽子様をお迎えし、「ビジネスと人権のつながりを考える」と題し、ご講演いただくとともに、「職場」や「サプライチェーン」等の具体的な人権課題をテーマとしたワークショップを行ないました。
ワークショップの実施後、参加者からは「人権尊重は気づきを得ることが重要だと感じた」や、「人権尊重を考慮するうえでの着眼点が理解できた」のほか、「人権が職場や業務など身近に存在していることに気がついた」等の意見がありました。
この「CSRリーダー・ミーティング」の内容は、参加したCSRリーダーが所属する部門にフィードバックし、内容の周知と理解を図っています。

人権講演の様子です。
人権講演

その他、2017年度、カシオは「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」のヒューマンライツ・デューディリジェンス分科会にメンバーとして参加し、人権尊重や人権デューディリジェンスに関する理解を促進しました。

セクシャルハラスメントおよびパワーハラスメントの防止

カシオは「カシオグループ倫理行動規範」の中で、セクシャルハラスメントおよびパワーハラスメントおよびマタニティハラスメントなど人格を無視するような行為を行わないことを明記しています。また、「ハラスメントの防止に関する指針」を制定するとともに相談窓口を設置。電話・FAX・e-mail・郵便などで受け付けて、専任の相談員が対応し、問題の解決、防止に努めています。さらに、就業規則において、ハラスメントの行為者を懲戒に処することを定めています。特にマネジャー層を対象とした研修では、ハラスメント防止の意識付けを徹底しています。

従業員相談窓口の設置

職場風土や人間関係、人事処遇といった従業員が抱える悩みや相談に対する「ご意見箱」をイントラネット上に設置しています。また、公益通報ホットラインにて、人権侵害に関わる相談・通報に対応しています。

公益通報ホットライン