資源循環型社会の実現 考え方・方針
考え方・方針
課題認識
急速な経済成長の中、消費される資源の増大に伴う天然資源の枯渇や資源採掘による自然破壊、廃棄物の埋立処分場の逼迫や周辺汚染などが問題になってきています。そのような中、地球上の限りある資源を有効活用するため、廃棄物等の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、資源の再生利用(リサイクル)の3Rの重要性が高まっています。また、近年は廃プラスチックの有効利用率の低さや、海洋プラスチック等による環境汚染が世界的課題にもなっています。
カシオはこの様な社会的背景を認識し、自社事業での活動とともに、サプライヤーや製品ライフサイクル視点を意識した活動など、さまざまな取り組みを進めています。
カシオグループとの関わり
天然資源の枯渇や資源採掘による自然破壊が拡がる中、製品を製造するために新たな天然資源を投入する事は、資源枯渇を増大させるだけでなく、環境や生態系への影響を拡げる可能性も考えられます。さらにこれらの影響から、原材料コストの増大といったリスクにつながる可能性も考えられます。
当社の事業活動から発生した廃棄物の再資源化率は、ここ数年で80%以上に達しています。しかしここに含まれないものは再資源化されず環境中に廃棄される事となり、プラスチックなど、長期にわたって環境中に残留し環境汚染や生態系への影響の懸念となっているものも含まれています。
自社の事業活動で発生する廃棄物をはじめ、お客様がご使用された後の製品廃棄についても同様の事が考えられ、積極的に再資源化していく取り組みが求められていると言えます。これは、コンシューマー事業を広く展開するカシオグループにとって、お客様の信頼を確保する面でも重要といえます。
目標と行動計画
カシオは、製品に関する取り組みと、事業活動での取り組みの両面を通じて、資源循環型社会の実現に取り組んでいます。
製品での取り組みでは、開発・設計段階から、お客様の製品のご使用、ご使用後の再資源化に至るさまざまな段階で環境に配慮した製品づくりを指標とした「カシオグリーンスター製品」の拡大を目標に設定し、資源循環型社会の実現に取り組んでいます。
事業活動での取り組みでは、活動から発生する廃棄物のゼロエミッション化※1 を、目標の一つに設定しています。ゼロエミッション化に向けた取り組みとして、事業活動から発生する廃棄物の、発生量の削減および再資源化率の向上を目標に設定しています。また、事業活動で使用する水の使用量削減も目標として設定しました。さらに、使用済の製品や製品ご使用に伴って廃棄される部品を自主的に回収しリサイクルする取り組みを通じて、資源循環型社会の実現に取り組んでいます。
目標と実績
評価 ◎:すべての目標達成、○:目標をおおむね達成、△:成果より課題が残る、×:進捗なし
中長期目標 | 2022年度目標 | 2022年度実績 | 評価 | 2023年度目標 | |
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製品に関する取り組み | 2025年度までにカシオグリーンスター製品の売上比率90%を目指す | カシオグリーンスター製品売上比率80%を目指す | 売上比率74.3% | 〇 |
カシオグリーンスター製品売上比率80%を目指す |
事業活動での取り組み | 2030年度までに事業拠点廃棄物のゼロエミッション化※1 達成を目指す | カシオグループ全体の廃棄物および有価物合計量を2019年度比3%以上削減する | カシオグループ全体の廃棄物および有価物合計量を2019年度比34.3%削減 | ◎ | カシオグループ全体の廃棄物および有価物合計量を2019年度比4%以上削減する |
カシオグループ全体の再資源化率※3 96%以上を目指す | カシオグループ全体の再資源化率93.9% | 〇 ※2 |
カシオグループ全体の埋立廃棄率※4 4%以下を目指す | ||
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カシオグループ全体の水使用量を2019年度比3%以上削減する | カシオグループ全体の水使用量を2019年度比23.9%削減 | ◎ | カシオグループ全体の水使用量を2019年度比4%以上削減する |
※1 カシオグループのゼロエミッションの定義:埋立廃棄率=(最終埋立処分量÷廃棄物および有価物合計量)×100が1以下である事
※2 目標値に対し80%以上を達成した事により、〇評価と判断
※3 再資源化率=(有価物発生量+再資源化量)÷(有価物発生量+再資源化量+最終埋立処分量))×100
※4 従来の年度目標は、再資源化率をグループ全体の指標として用いていましたが、中長期目標との整合性およびグループ全体の指標を精査した結果、2023年度目標より、埋立廃棄率をグループ全体の指標として用いる事としました。