ガバナンス

腐敗防止・コンプライアンス

カシオグループ倫理行動規範

カシオでは、すべての役員および従業員が、日常の活動において、国際規範、各国・地域で適用される法令、および社内規則等を遵守することはもとより、高い倫理観と良識をもって行動するために「カシオグループ倫理行動規範」を制定しています。そして、社会的責任の国際規格である「ISO26000」の発行(2010年11月)や国連グローバルコンパクトへの参加(2010年12月)、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の採択(2011年6月)等、近年のカシオを取り巻く社会環境の潮流を捉え、国際社会からの期待・要請に応えるため、2013年6月1日に「カシオグループ倫理行動規範」を改定し、普及に取り組んでいます。規範改定の主なポイントは以下の3点です。

  1. 人権、サプライチェーン、腐敗防止等、国際社会からの期待、要請が高い項目を中心に見直しを実施。
  2. 役員・従業員が果たすべき役割ごとに条文を整理。
  3. 国内外の全グループ共通の指針としての内容の充実。

また、英国現代奴隷法の施行等カシオグループを取り巻く人権尊重に係る社会環境の変化を踏まえ、2016年11月1日に「人権の尊重」の規定を一部改定いたしました。

カシオは国内外のグループ全体を対象として、この規範を和文・英文・中文のほか、必要に応じて各国の現地語に翻訳し、内容のより一層の理解と浸透を目的に教育を実施しています。また、この教育とあわせて2年に1度、コンプライアンスに関するアンケートを実施し、課題や問題点の集約と回答結果のフィードバックによって改善を促進しています。

倫理行動規範の項目

Ⅰ.総則

  1. 目的
  2. 適用範囲
  3. 基準遵守の責任

Ⅱ.規範の実践

  1. 価値創造のために

    1-1.社会に有用な商品・サービスの提供

  2. 社会への責任を果たすために

    2-1.人権の尊重
    2-2.地球環境の保全
    2-3.サプライチェーン全体での健全な取り組み
    2-4.社会との調和

  3. お客様の信頼を得るために

    3-1.お客様への安全・安心の提供

  4. 良い職場を創るために

    4-1.働きやすい職場環境の構築

  5. 自らの行動を正すために

    5-1.法令等の遵守
    5-2.贈収賄の禁止、および接待・贈答の制限等
    5-3.公正な競争と取引
    5-4.インサイダー取引の禁止
    5-5.安全保障貿易管理の徹底
    5-6.反社会的勢力への関与の禁止
    5-7.公私の区別
    5-8.情報の保護
    5-9.知的財産の創造・保護と活用

  6. 社会との信頼関係をつくるために

    6-1.社会とのコミュニケーションの促進

Ⅲ.規範の維持

  1. 規範の制定および改廃
  2. 違反行為の報告
  3. 違反に対する措置

カシオグループ倫理行動規範

コンプライアンスリスクマネジメント

カシオでは「リスク管理基本方針」に基づき、2007年度からコンプライアンスリスクに重点を置いたリスクマネジメントを効率的に推進するリスク管理システムを構築しています。

本システム構築においてはカシオが事業を推進する上で関連のある70法令を抽出し、各法令への対応状況について棚卸しを行いました。リスクの発生可能性と経営への影響度から取り組みの優先順位を決定し、個別の対策の立案・実施と、全体のマネジメント体制の整備を行いました。このリスクマネジメントの仕組みは、それぞれのリスクに関連する主管部門がリスクの回避・低減を行う施策を計画的に策定するというものであり、それを事務局がPDCAサイクルにより包括的にマネジメントするものです。そしてこの仕組み全体についても、監査部門が監査を実施しています。この結果、2010年度末までにすべてのリスクについて所定の対策を実施し、全体を俯瞰することができました。さらに2019年、内部統制強化のためにコンプライアンスリスクマネジメントを内部統制委員会で推進しています。環境変化が著しい中、海外含むカシオグループ全体のリスクの棚卸を行い、リスク抽出・分析を実施しカシオグループのコンプライアンスリスクマネジメント体制の整備・強化に取り組んでいます。

教育・啓発活動

カシオでは「経営理念、およびサステナビリティの理解と浸透」、ならびに「カシオグループ倫理行動規範の周知と徹底」を目的として、国内および海外のグループの従業員を対象として、定期的にサステナビリティの教育・研修を行っています。
2019年度は、新入社員に対しSDGsの講義・ワークショップを行い、また、カシオ計算機の各部門および国内グループから選定されるサステナビリティリーダー約100名に対し人権、環境、SDGsをテーマとした講義・ワークショップを実施しました。
今後もカシオはグループにおける教育・啓発活動を通し、経営理念の浸透とサステナビリティリテラシーの向上を図っていきます。

公益通報ホットライン

カシオでは、人権への配慮を含むコンプライアンスを担保し、健全なガバナンスを維持する目的で、2006年4月に「公益通報ホットライン」を立ち上げて以来、社内外に設置した窓口機能を通じて、中立で公正な対応を図ってきました。

分け隔てなく、すべての相談、通報に対応すること、不適切な行為に対しては毅然とした対応を図ることを基本として、リスクが現実的な問題に拡大する前に予防を施すことに力を注いでいます。

通報件数は、2019年度は7件ありました。その内の3件は「ハラスメント」、その他に「社内ルール違反」が3件、また、「プライバシー侵害」が1件でした。いずれも適切に対応し終息しています。

2015年4月より公益通報の社外窓口の委託業者を変更しました。これによって英語と中国語によるウェブ相談・通報と、英語による電話相談・通報も可能になり、海外グループ会社からの通報にも対応が可能になりました。また本制度の浸透定着をより充実化すべく、社内に設置した公益通報者保護のホームページ上で英語と中国語の言語対応を行い、海外を含めたグループ従業員への理解の促進に努めました。

2017年度には、社内からの内部告発の受付窓口に加えて、お取引先からの通報専用の社外受付窓口を開設しました。(2017年10月開設)

2019年5月にウェブによる社外受付窓口を一新し、欧州GDPRに対応するとともに、半匿名(社外受付窓口に対して実名、会社に対して匿名)の通報者とホットライン事務局が直接やり取りできる仕組みを新設しました。

2019年度 公益通報実績

通報内容内訳 ハラスメント 社内ルール違反 プライバシー侵害
件数 3件 3件 1件

公益通報ホットラインの設置

公益通報ホットラインの設置の画像です。

輸出管理

輸出管理(正式には安全保障貿易管理)とは、国際的な平和と安全の維持を目的とし、大量破壊兵器や通常兵器の開発などに転用される恐れのある貨物・技術の輸出を規制することで、懸念国や地域、テロ組織にそれらが渡ることを防ぐためのものです。

カシオ計算機は1987年、輸出管理を適切に実施するために「カシオ計算機安全保障輸出管理プログラム(コンプライアンスプログラム)」を自主管理規程として策定し、以来、法令の改正の都度、これを改定し今日に至っています。

コンプライアンスプログラムを確実に実施するための社内体制として、関係部門に輸出管理責任者を配置し、プログラムの確実な遂行に努めています。

2010年4月の「輸出者等遵守基準」の施行に伴い、国内グループ会社に対する教育活動を強化するなど、関係法令の改正などに呼応して、法令遵守の徹底を図るとともに毎年の自主監査により、体制の維持管理に努めています。

また、国内法のみならず米国の再輸出規制に対する管理体制も整え、2012年には英国、ドイツのグループ会社で、また2013年には米国のグループ会社で輸出管理教育を実施するなどグローバルに輸出管理の拡充に取り組んでいます。

2019年6月には日本機械輸出組合より講師を招いて、羽村技術センターにおいて「安全保障輸出管理」講習を実施しました。 輸出に関係する開発本部、営業本部、CS本部、事業開発センターおよびグループ会社の山形カシオから54名が出席し、基礎を学ぶとともに、該非判定のケーススタディや他社事例など幅広く知識を深めました。

ますます複雑化する貿易を取り巻く状況下、常に最新の情勢をアップデートし、安全な輸出管理を目指します。

公正な競争と取引

責任ある企業として、公正な競争と取引の推進は欠かすことができません。当社では「独占禁止法」「景品表示法」などの関係法令を正しく理解し遵守徹底できるよう、コンプライアンス体制の強化を図っています。
(→カシオグループ倫理行動規範: 5-3. 公正な競争と取引)

各国競争法(独占禁止法)遵守の取り組み

当社では2019年度に国内外グループ全社を対象とした「競争法コンプライアンスプログラム」を制定、グローバル遵守体制によるトレーニング推進やコンプライアンス調査活動等を通じ、リスク発生防止に取り組んでいます。

景品表示法遵守の取り組み

不当表示や過大な景品提供発生を防止する為、専門相談窓口による対応指導や従業員教育を継続するとともに、お客様から寄せられたご意見をフィードバックする活動により商品の適正な説明表示を行うよう努めています。

営業部門においては、公正な競争と取引を推進するツールとして「営業コンプライアンスカード」を従業員に配布し常時携帯を義務付けており、カードには「カシオ創造憲章」、「カシオグループ倫理行動規範(抜粋)」の他、コンプライアンステストや相談窓口・通報窓口を明記、日常の活動において判断に迷った場合などには、本カードを指針とし速やかに自己確認を行い、所定の窓口に相談・通報を行うよう従業員に指導しています。
さらに、専任部署による内部モニタリング活動として、独禁法等に抵触するような不公正な取引行為がないか、また、消費者の誤解を招きかねない製品表示情報がないかを確認すべく、定期検証を行っています。

カシオ営業コンプライアンスカード(改訂版)

カシオ営業コンプライアンスカード(改訂版)の画像です。

下請法遵守の取り組み

カシオは、グループ会社を含めた「下請法遵守委員会」を設置し、常に法令に基づいた適正な取引を行うよう努めています。下請法遵守委員会の年次の基本計画のもとにグループ会社各社がそれぞれの活動計画を立案し、PDCAによる適正な下請取引を維持するようにしています。
特に、お取引先・委託先の窓口を担当する従業員には、社内講習の受講や監督官庁が主催する講習会などを通じて、必要な知識の習得を図っています。
2019年度は、社内講習をグループ全体で3,557人が受講、公正取引委員会や中小企業庁が主催する講習会へは49人が参加し、遵法意識や必要な知識の定着を図りました。
社内講習では、実際の下請取引の場面を設定し、より具体的に業務と関連付けた学習内容とすることで、一層の理解を図っています。また、グループ会社によってはその取引実態に合った独自の教材を作成し研修を行うなど、さまざまな工夫をしながら理解の促進を図っています。
この他、官公庁のWeb の閲覧・メール配信サービスなどで最新情報を取得し、遵守委員へ直接配信するとともに、遵守委員会のWeb ページに掲載し、グループ内での共有を図っています。
一方、下請取引のある現場では、順次自主監査を行っています。発注から支払いまでの一連の取引について、保存書面を検査しながら適正な取引・遵守の状況を確認し、問題が発生しないよう努めています。
引き続き、下請法への理解を深め、遵守水準の向上に向けた体制強化、およびより一層の適正取引の推進とパートナーとの価値創造に向けた取り組みに努めていきます。

なお、カシオでは、当該年度、下請法に関する勧告・罰金はありません。

腐敗防止の取り組み

カシオは社会的責任の国際規格である「ISO26000」に基づき2012~2013年に国内外のグループ各社においてCSRの主要課題に対する各社の取り組み状況を評価・分析する棚卸を行いました。その結果、「人権の尊重」とともに優先的に取り組むべき課題として浮き上がってきたのが「公正な事業慣行」に関する課題の中の「腐敗防止への取り組み」でした。

カシオでは、「カシオグループ倫理⾏動規範」にて違法および不適切な接待・贈答等を授受しないなど、贈収賄行為の排除について定めていますが、事業のグローバル化の進展、ならびに、法規制強化や摘発の厳格化という昨今の状況に鑑み、カシオグループ全体の贈収賄リスクへの対応をさらに強化する必要があります。そこで、「カシオ 贈収賄禁止ガイダンス(カシオグループ向け)」を2014年7月に、そして同年10月に「贈収賄禁止マニュアル(「カシオ計算機向け)」を制定しました。
この「カシオ 贈収賄禁止ガイダンス」では、ファシリテーションペイメントの禁止を含む贈収賄禁止の基本的なスタンスや考え方を明示し、また、「贈収賄禁止マニュアル」では、コンプライアンス責任者の設定、教育・研修、監査、通報窓口等、贈収賄禁止のための体制や仕組みの整備、贈答・接待の金額基準の設定等、具体的ルールについて定めています。また、各拠点におけるローカル・ルールやマニュアル作成を促進し、グループ全体での贈収賄禁止に関する体制を強化しています。

2020年度内部統制委員会で実施したコンプライアンスリスク棚卸を行い、洗い出した課題について、事務局が分析し各グループ会社に結果のフィードバックを行い、改善を促しています。

税務

カシオグループでは、「カシオグループ倫理行動規範」において、カシオグループがグローバルに事業を展開するにあたり、すべての役員および従業員が、日常の活動において、国際規範、各国・地域で適用される法令、および社内規則等を遵守することを定めています。
税務についても同様に、移転価格税制・タックスヘイブン対策税制等を含む各国の税務関係法令、国際ルール等を遵守した適正な納税を行い、税務コンプライアンスの維持・向上に努めています。

カシオ計算機は2019年6月より監査等委員会設置会社へ移行し、監督と執行を分離することでコーポレートガバナンス機能を強化しています。また、事業環境の変化に対して迅速かつ柔軟に対応できる執行体制を構築し、企業価値の向上に努めています。さらに「カシオグループ倫理行動規範」の理解と浸透を図るために、定期的に教育を実施する等、コンプライアンスを推進していましたが、Casio Electronics Co. Ltd.(イギリス子会社)は英国競争・市場庁の立入調査を受け、その結果、2019年度において競争法違反に係る制裁金を支払いました。また、Casio Europe GmbH(ドイツ子会社)の元従業員が、不正送金した事実が2019年度に判明しました。カシオグループではこのような事態が発生したことを厳粛に受け止め、改めてコンプライアンスの徹底を行うとともに、内部管理体制のさらなる強化を図り、再発防止に向けて全力で取り組んでいきます。