人権に配慮した企業行動
優先的に取り組むべき人権の重点課題
従業員の人権課題に対する取り組み
人権課題チェックの実施
カシオは、2012年よりISO26000を指針とした人権課題の棚卸を着実に進めてきました。グローバル企業としての責任を果たすべく、人権デュー・ディリジェンスの強化に早期から取り組み、2014年にはデンマーク人権研究所の「人権コンプライアンス・アセスメントチェックツール」を参考に、有識者の知見も取り入れながら、独自の「人権チェックツール」を策定しました。
このツールを活用し、2014年にはカシオ計算機を含む国内外のグループ会社全体で人権に関する重点課題への取り組み状況を評価。事務局による課題分析を経て、各社へフィードバックを行い、グループ全体で人権意識の向上と課題解決につなげています。
2016年度以降は、生産系グループ会社と営業系グループ会社を区分し、毎年度交互に「人権課題チェック」を実施する体制を確立。これにより、各事業領域の特性に即した継続的なモニタリングと改善活動を推進してきました。
2021年度および2022年度には、これまでの人権課題チェックの結果を振り返り、社会情勢や国際的な人権基準の変化も踏まえながら、「人権チェックツール」の内容について必要に応じた見直しや一部改訂を行いました。そのうえで、2023年度には全生産系グループ会社(7社)に対して最新の「人権課題チェック」を実施し、グループ全体で人権尊重の取り組みをさらに強化しています。
2024年度には、全営業系グループ会社(27社)を対象に「人権課題チェック」を実施しました。その結果、各社が事業活動を行うすべての国と地域において、適用される法令が遵守されており、強制労働や児童労働を含む深刻な人権侵害は確認されませんでした。一方で、一部の領域では軽微な課題も見受けられたため、これらに対しては具体的な改善提案を各社へフィードバックし、さらなる是正と予防に努めています。
今後も各拠点で改善に向けてのPDCAを回し、グループ全体の人権デュー・ディリジェンスの強化に努めていきます。
ハラスメントの防止
カシオはハラスメント行為者への懲戒処分を就業規則や懲戒規程に明記し、「カシオビジネスコンダクトガイドライン」の中でも、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント、マタニティハラスメントなど人格を無視する行為の禁止を明記しています。併せて「ハラスメントの防止に関する指針」の制定、相談窓口の設置(電話・e-mailでの受付)なども実施し、問題の解決と防止に向けた取り組みを行っています。
また、2023年にはカスタマーハラスメントに対する方針も策定し、Webページで公開しました。これにより、社内外のあらゆる形態のハラスメントに対する包括的な対策を整備しています。加えて、啓発活動にも力を入れており、2020年の法令改正に伴い国内グループ役員・全従業員(海外駐在員を含む)を対象としたハラスメント防止研修を毎年実施しています。今後もハラスメント防止に関する意識付けを徹底し、健全な職場環境の維持に努めていきます。
サプライチェーンにおける人権の取り組み
カシオでは、すべてのお取引先に、“人権の尊重・差別の禁止”を明記した「お取引先さまへのお願い」を提示し、遵守をお願いしています。また、サプライチェーンでの人権リスクを把握のために、国内外のお取引先に対し、人権リスクの評価を含む企業の社会的責任(CSR)遂行に関するアンケート調査を継続的に実施しています。
詳細は「CSR調達の推進」「サプライチェーンマネジメント」を参照ください。
>CSR調達の推進
>サプライチェーン・マネジメント
教育・啓発活動
カシオでは、人権尊重の意識の浸透を図るために、カシオ計算機と国内外のグループ会社を対象として定期的に社内教育を実施しています。 2024年度は、年に一度実施するサステナビリティ学習の中で、カシオのマテリアリティ(CSR重要課題)のひとつとして「人権の尊重」を取り上げ、「カシオグループ人権尊重に関する基本方針」やカシオの人権尊重の取り組みなどについての教育を実施し、理解度の評価を行いました。
また、社外有識者を招き、カシオ計算機・カシオ国内グループ会社のサステナビリティリーダーに対し、ビジネスと人権」をテーマとし、自社がかかわる人権課題や企業活動に求められる人権尊重の取り組みについて研修を行いました。
苦情処理メカニズムの設置
カシオでは、人権尊重の取り組みの実効性を高めるため、カシオ計算機をはじめとする国内外のグループ役職員が利用できる苦情処理メカニズムとして、公益通報ホットラインを設置しています。 中立で公正な対応を図るため、窓口を社内外に設けるとともに、守秘義務を徹底し、通報者に対する不利益な取扱いや報復行為を受けないよう、通報者の保護に努めています。
>公益通報ホットライン
また、サプライヤーからの通報については「取引先ホットライン」を設置するとともに、カシオ計算機Webサイトの「お問い合わせ」を通じ、お客様を含むあらゆるステークホルダーからの相談・通報が可能となっています。
>取引先ホットライン
>カシオ計算機Webサイトお問い合わせ
英国現代奴隷法への対応
カシオグループでは、2015年3月に制定された英国現代奴隷法に基づき、英国のグループ会社Casio Electronics Co.,Ltd. が「奴隷労働および人身取引」に対するステートメントを公開しています。
>Casio Slavery and Human Trafficking Statement
※2025年11月10日更新