NEWS RELEASE
2026年3月4日
「経済安全保障重要技術育成プログラム」の研究開発構想に参画
複数の水中ロボットを個体識別できるカメラ可視光通信を開発
カシオ計算機株式会社(以下、カシオ)は、株式会社トリマティス(以下、トリマティス)と公立大学法人公立千歳科学技術大学(以下、千歳科学技術大学)とともに、内閣府が主導する「経済安全保障重要技術育成プログラム(以下、K Program)」の研究開発構想に参画し、昨年12月より海中無線通信技術の共同開発をスタートしました。同構想で、カシオは水中ロボットの個体を識別できるカメラ可視光通信の開発を担います。
「K Program」は、国際情勢の変化に関わらず日本の経済的自立を支え、日本が国際社会で中長期的に確固たる地位を確保するために不可欠な先端技術の研究開発およびその活用を推進するプログラムです。研究開発の領域としては、宇宙・航空、サイバー空間・バイオ、海洋に関する技術テーマがあります。
今回の共同開発では、大型船舶の船底点検や海底ケーブルをはじめとする海中インフラの維持管理など、海中作業の飛躍的な無人化・効率化を可能とする海中無線通信技術の確立を目指します。具体的には、自在に動く水中ロボット同士や基地となる水中ステーションが作業に必要な通信を行うための技術です。高速かつ大容量のデータ送信と情報セキュリティーの確保を可能とするレーザー通信、複数同時に通信するマルチアクセス通信、およびそれらを実現する制御技術の開発に取り組みます。
この中でカシオは、独自の変復調アルゴリズムを用いてLEDの点滅や光の強弱をID情報に変換するカメラ可視光通信を使い、複数のロボットやステーションの個体を識別することで、海中でそれぞれの位置関係を把握できる技術を追求します。
カシオは、「驚きを身近にする力で、ひとりひとりに今日を超える歓びを。」というパーパスのもと、独自技術による新たな領域への挑戦を続けています。今回の共同開発を通じて、国内の科学技術を結集させ日本の自立した経済的発展に貢献してまいります。
■経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)
令和4年に成立した「経済安全保障推進法」に基づき、日本が国際社会において中長期的に確固たる地位を確保し続ける上で不可欠な要素となる先端的な重要技術について、科学技術の多義性を踏まえ、民生利用のみならず公的利用につながる研究開発およびその成果の活用を推進するものとして創設。経済安全保障推進会議および統合イノベーション戦略推進会議の下、内閣官房、内閣府その他の関係府省が一体となって推進し、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が連携して研究開発の進捗管理と評価を担っています。
(関連ページ:https://www.jst.go.jp/k-program/)
■三者の取り組みについて
「K Program」の研究開発ビジョンに基づいて、2024年7月に公募を開始した「海中作業の飛躍的な無人化・効率化を可能とする海中無線通信技術」に関する研究開発構想の取り組みです。海中インフラの維持管理で活用できるよう場面に応じた一定の範囲において、範囲内に複数の通信機器を設置し、すべての通信機器と同時に通信することが可能な技術が求められています。カシオ、トリマティス、千歳科学技術大学の三者は、「OCC(光カメラ通信)アシスト適応型マルチアクセス水中光ワイヤレス通信技術」を研究開発課題として応募し、採択されました。
(関連ページ:https://www.jst.go.jp/k-program/program/kaiyou5.html)
■カメラ可視光通信
イメージセンサー通信あるいはOCC(光カメラ通信)とも言われる技術で、カシオは独自の変復調アルゴリズムを使い、LEDの点滅や光の強弱をカメラで捉えてID情報に変換しています。この技術を用いた高精度位置測位システム「picalico(ピカリコ)」では、LEDの発光色(赤・緑・青)を24回または12回切り替えたパターンを、エリア内の座標で定位置を示すID情報として識別。活用事例として、工場の自動搬送機やフォークリフトなど作業動線の分析に使われているほか、JAXAとの共同研究では月面探査車の位置を推定する方法として実用化の検証を進めています。
今回取り組む海中においてはLEDを定位置に固定することが難しい課題があります。そのため、自在に動く複数の水中ロボットにカメラとLEDを搭載し、それぞれのID情報を識別することでお互いの位置関係を把握することを目指します。
(関連ページ:https://www.casio.com/jp/picalico/)
(その他の関連ページ)
株式会社トリマティス :https://www.trimatiz.com/jp/
公立大学法人公立千歳科学技術大学:https://www.chitose.ac.jp/