NEWS RELEASE
2026年3月9日
鍵盤楽器による脳活性化効果の研究を実施
カシオと東京大学先端科学技術研究センターがカナダの国際学会にて共同発表
カシオ計算機と東京大学先端科学技術研究センター(以下、東大先端研)は、共同研究している「BGM、カラオケ、演奏支援機能を有する鍵盤楽器の脳活性化効果」について、3月7日〜3月10日にカナダ・バンクーバーで開催されている国際学会「Cognitive Neuroscience Society 2026(CNS2026)」において発表しました。
本研究では、当社の光ナビゲーションキーボード「LK-530」を使用し、音楽テンポが作業効率と脳活動に与える影響を科学的に検証しました。その結果、速いテンポの楽曲を聴くことで作業効率が向上し、遅いテンポの楽曲を聴くことでリラックス効果が得られることが確認されました。
■共同研究の背景と経緯
当社は、音楽が人々の生活や仕事にもたらす価値を科学的に解明し、新たな製品・サービス開発に活かすことを目的に、2025年7月に東大先端研と共同研究契約を締結いたしました。本研究では、音楽が認知機能や作業パフォーマンスに与える影響について、脳科学的アプローチによる検証を進めてきました。
■研究目的について
本研究では以下の点を明らかにすることを目的としました。
・音楽のテンポ(速い/遅い)が短期記憶課題の処理速度・正答率に与える影響
・ビート強調などのカシオの独自アレンジが生理指標※1や脳活動に及ぼす効果
・電子楽器を活用した認知サポート機能の可能性
※1 心臓の拍動をもとに、1分間あたりの拍動数(心拍数)や、拍動間隔の変動(心拍変動:HRV)を解析・数値化した指標
■実証実験の主な成果
実験の結果、音楽のテンポによって脳の活動や覚醒水準※2が変わることがわかりました。特に、自己状態の調整に関わる背内側前頭前野(DMPFC)の活動や心拍の変化はテンポに依存して変わり、速い音楽では体と脳の覚醒レベルが高まる傾向が見られました。
※2 心身がどれくらい活性化しているかを示す状態で、集中度や注意の向きやすさに関わる指標
これにより、以下の効果が科学的に認められました。
・速いテンポの楽曲:作業効率が有意に向上
・遅いテンポの楽曲:リラックス効果が確認
この成果は、音楽が私たちの内的な状態を調整する仕組みに関わっていることを示しており、今後の音楽を活用した新たなソリューション開発の可能性を示唆しています。
当社は、本研究を通じて得られた科学的知見を基盤に、音楽と脳科学を融合した価値創造をさらに推進してまいります。今後も研究連携を深め、音楽がもたらす「脳活」「ウェルネス」「ウェルビーイング」の実現に向けた製品・サービス開発し、より豊かで活力ある社会づくりに貢献していきます。
■研究で使用したモデル
LK-530
■研究方法
・実施期間:2025年10月21日〜11月6日
・実施場所:カシオ計算機 羽村技術センター
・被験者:30名
・実験方法:「LK-530」に収録された楽曲を被験者に聴いてもらい、認知課題を実施しながら脳血流測定用NIRSシステム、心拍センサー、アイトラッカーを用いて測定
・測定項目:作業効率、脳活動パターン、心拍変動、瞳孔反応
・使用音源:テンポの異なるクラシック曲(BPM150/BPM60)、メトロノーム音、無音
・使用機材:光ナビゲーションキーボード「LK-530」、専用アレンジデータ
実験イメージ
■東京大学先端科学技術研究センターについて
1987年に設立された東京大学先端科学技術研究センター(RCAST)は、材料・情報・環境エネルギーなど多分野を横断した先端研究を行う東京大学附置研究所です。