トップコミットメント

「創造 貢献」を原点に、社会へ新たな価値を提供し続けサステナブルな社会の実現に貢献していきます。

カシオの経営理念と価値創造

カシオは「創造 貢献」という経営理念を大切にし、体現することで発展を遂げてきた会社です。創造を通じて、新たな生活や文化を生み出し、社会に貢献する。その原点は、自分たちの発明によって、人々の生活をより豊かで便利にしたいという志です。設立当時、世界初の小型純電気式計算機を開発した際も、提供した真の価値は、簡単に速く計算ができることではなく、「計算をする」という行為を手軽かつ身近にしたことだと言えます。
個人用電卓、耐衝撃腕時計、当時最薄のデジタルカメラなど、カシオにはさまざまな「初」がありますが、いずれも「誰もがいつでも計算できる」「過酷な環境でも正確な時間が分かる」「ポケットに入れて常に撮影を楽しめる」など、使用シーンや対象ユーザーを広げ、計算、時間の把握、撮影などに新たな価値を生みだしました。
そして、重要なのは、その価値を新たな文化として定着させ、人々の生活や社会に貢献していくことです。関数電卓の例で言えば、長年、各国の教育省・学校と授業を共同で開発してきた結果、推奨教材として、毎年主に海外の新高校一年生およそ2,300万人の教育を支えています。このサイクルを生み出したことで、考える力を養うという数学教育に寄与できているのです。
このような新たな文化を生み出し、生活や社会を豊かで便利にする活動こそ、自社と社会、双方の発展を目指す「カシオのサステナビリティ」の姿です。ESGの分野についても、単に外部要請に対応するだけでは不十分です。
創造による社会への貢献を第一義とし、その実現に不可欠な本質的課題を抽出するからこそ、環境配慮や人財育成、労働環境整備、人権・コンプライアンス面の取り組みなどが有効に機能していくものと考えます。

カシオ代表取締役 社長 樫尾 和宏の写真です。

サステナブルな企業基盤の構築

「創造 貢献」の経営理念を実現し、社会に貢献し、信頼される会社であり続けるためには、単にモノを作って社会に提供するだけではなく、「社会の役に立つコトを想像力と実行力で実現し文化を育んでいく」ということ。すなわち「貢献のために創造する」ということが必要です。この「社会の役に立つ」こととは何かを、サステナビリティへの貢献という文脈の中で、グローバルな視点から考えていくことが重要です。
2030年までに国際社会が実現を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」を、事業活動を通じて実現していくことは不可欠であると考えます。そこで、2020年3月期には、中期経営計画と合わせて事業ごとにサステナビリティ目標を策定し、SDGsの17ゴールの内、カシオが貢献していくべきゴールを明確にしました。
今後は、アフターコロナにおける事業計画と連動し、達成すべきSDGsゴールをターゲットベースで認識し、具体的なKPIを設定して推進していきます。さらに、地球規模の課題である気候変動リスクへの認識を深め、TCFDに賛同表明し、それに基づく情報開示も進めていきます。また、従来から設定していた中長期温室効果ガスの排出目標も、SBTの新基準に合わせて見直すとともに、RE100にも加盟し、サプライチェーンも含めて具体的に取り組んでいきます。その第一歩として、温室効果ガスの算定基準も「ロケーション基準」に加え「マーケット基準」も併用し、具体的に取り組んだ結果が把握できるようにしました。

ガバナンス改革と強化の継続

社会へ新たな価値を提供し続けていくには、経営面での取り組みも不可欠であり、その中核を担うのがガバナンス改革です。迅速な意思決定や経営監督機能の強化のため、2019年6月、監査等委員会設置会社に移行すると同時に、社外取締役の選任基準を見直し、取締役の人数を削減しました。これにより、企業経営をはじめ各分野で豊富な経験・知識を有するボードメンバーとして刷新され、社外取締役比率も29%から38%へと上昇しました。新体制になり、活発な長期視座での議論が行われており、ガバナンス改革の成果を認識しているところですが、コーポレート・ガバナンスの強化に終わりはありません。取締役会の実効性評価などの結果も踏まえながら、継続的な強化に力を注ぎます。
一方、執行面のガバナンスについては、課題がまだまだあります。当期には、ドイツ子会社の元従業員による不正が判明するという問題事象も発生しました。こうした事態を厳粛に受け止め、2020年4月に新設した内部統制委員会を中心とする内部統制、グループガバナンスの強化を図るとともに、従業員自身が自発的なリスクマネジメントを推進できるような文化醸成に注力していきます。

ステークホルダーとともに

企業価値向上の実現には、方向性・進捗の共有や外部視点の取り入れなど、対話が重要だと考えています。現在、株主・投資家の皆さまとの対話については、私も先陣を切って、経営の考え、課題認識、良い点も悪い点も含めた進捗などの発信・共有に取り組んできました。引き続き、投資家目線に立った真摯なIRに取り組んでいきます。
また、お客様や取引先、地域社会との対話はもちろんのこと、今後、特に重要になるのが従業員との対話です。従業員が当事者として、カシオの未来をともに描き、実行していくことが大切だと考えており、社内向けメッセージの継続的な充実や積極的な議論を重ねていきます。これが、成長・発展の近道だとも思っています。
カシオは原点に立ち返りながら、社会への貢献軸で「リセット」し、ニューノーマル社会において価値創造を果たし続けられる会社へと生まれ変わっていきます。是非、カシオの未来にご期待ください。

カシオ代表取締役 社長 樫尾 和宏の署名です。