トップコミットメント

One CASIOで「創造のための貢献」を実現し、社会に新たな価値を提供します。

時代に合わせた新たな「創造 貢献」へ

カシオ計算機は創業から60年、「創造 貢献」の経営理念のもと、新しい市場をつくり、文化をつくることで成長を遂げてきました。独自技術を強みに、今までにない斬新な製品を生み出し続け、社会に貢献してきたのが私たちの歴史です。
昨今、カシオを取り巻く外部環境は大きく変化しています。あらゆる製品で機能のコモディティ化が進み、グローバル化により世界中で同じようなモノが同品質でつくられるようになりました。つくり手の都合でのモノづくりではもはやユーザーから選ばれ続けることはできず、「創造による貢献」から「貢献のための創造」への転換が不可欠な時代を迎えています。
カシオが今後も持続的に成長していくため、今私たちが目指すべきは、「人々のライフスタイルの中で、最も身近で大切な存在を生み出し続ける」です。カシオの商品は、日常生活の中で気がついたら使っている、買った後にカシオ製と気づく、という自然にそばにある存在でなければなりません。
そこで求められるのは、万人向けに売れる商品ではなく、ある特定の人々にとって本当に役立つ専用機やサービスです。「『もっと身近に』を実現するOnly1カンパニー」として、従来のプロダクトづくりを超え、明確化した新しいユーザーに新しいエクスペリエンス(体験)を提供していくことが何より大切です。

カシオ代表取締役社長 樫尾 和宏の写真です。

中期経営計画の4つの成長戦略

2019年度からスタートした中期経営計画では、近年カシオが陥っていた品目・部門ごとの短期視点への反省のもと、社会への貢献を軸に会社全体を見直しました。1つの開発、1つの営業、1つの本社による全体最適のOne CASIOで、培ってきた資産・強みを活かし切り、真の成長に向けて事業を推進していきます。
中期経営計画で掲げる4つの成長戦略が、「時計事業の成長拡大」「教育関数事業の成長拡大」「新規事業の創出」「成長戦略を支える構造改革」です。
成長ドライバーとなる時計事業では、G-SHOCKブランドを活かし、メタルラインの拡大とともにスマートウオッチ市場でも確固としたポジションを得ていきます。同じく大きな伸びしろを見込む教育関数事業では、GAKUHAN活動により世界中の学生の学力向上に貢献を続けながら、電子試験・電子教科書という新たな領域でも教育改革を支えていきます。
新規事業の創出は、現在のカシオにとって最重要の命題であり、「新しいエクスペリエンスの提供」に向けて、すでに医療・ヘルスケアや美容、都市基盤などの新分野での展開を始めています。鍵を握るのが、各分野のパートナーとの「共創」です。カシオはこれまで独創性を追求し、いわば自前主義にこだわってきた会社ですが、ユーザーに全く新しい体験を提供していくためには、自社にない技術や知見を外から取り入れていくことが不可欠です。お互いの強みを活かし合い、共創パートナーとともに新規市場の創造を目指します。
成長戦略を支える構造改革では、辞書・英会話、楽器、プロジェクター、システムの4つの収益改善事業で、選択と集中のもと再成長事業への変革を進めており、具体的な成果も徐々に出始めています。

経営基盤の改革による強い土台づくり

事業成長の土台となる、経営基盤の整備も重視します。7つの事業軸(時計、辞書・英会話、 教育関数、楽器、プロジェクター、システム、新規事業)と4つの機能軸(開発・営業・生産・本社)を定めて責任を明確化するなど、抜本的な組織変更はすでに実施済みであり、新体制のもと組織と人財の活性化を進めていきます。
若手エンジニアをはじめ、カシオの未来を担う若い人財の活躍推進はまず欠かせません。2019年度には課数を11%削減してスリム化しながら、部課長の若返りを図りました。強みの最大化のため、カシオに足りない人財は外部から積極的に獲得し、AI・IoTやデジタルマーケティング、Eコマースに長けた人財や、グローバルに強い人財を投入していきます。
また、カシオのモノづくりの要となる羽村技術センターを整備し、次世代への最良な開発環境を構築していきます。一人ひとりが高いモチベーションを保って働けるよう、働きがい改革やコミュニケーションの活性化に注力します。
一方、コーポレートガバナンス体制の強化に向けて、2019年6月には監査等委員会設置会社へと移行し、経営監視機能の徹底と業務執行の迅速化・効率化を図りました。さらに、取締役会の活性化のためその構成を見直し、取締役の人数の削減や社外取締役の入れ替えを行いました。

事業と一体化したサステナビリティの推進

今後のカシオの事業で肝となる「新しいエクスペリエンスの提供」は、サステナビリティへの貢献との結びつきの中で考えていくことが非常に重要です。特に今日、国際社会が目指す共通のゴールである「持続可能な開発目標」(SDGs)を事業推進へ反映していくことは不可欠といえます。2019年には、中期経営計画と合わせて各事業におけるサステナビリティ目標を策定し、SDGsの17の目標のうち、カシオが貢献していくべき目標を明らかにしました。
従来、当社では「CSR」という言葉のもとに取り組みを進めてきましたが、これを「サステナビリティ」に改めたことでも、持続可能な社会に貢献していく意思をより明確に示しました。今後は、カシオが2016年に特定したマテリアリティ(CSRの重要課題)を見直し、事業部が中心となって策定したサステナビリティ目標を補完する形で、私たちが果たすべき社会的責任を再整理します。さらに、サステナビリティ目標においても、中期経営計画との連動により達成すべき具体的なKPIを設定していきます。
また、環境課題に対しては、気候変動リスクへの認識を深め、SBT※1やTCFD※2などの国際イニシアチブにも対応し、全社で推進する体制を整えていきます。

  • 1 Science Based Targets/科学的知見に基づくパリ協定の2℃目標に整合する温室効果ガス削減目標。2015年に、CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI、WWFが設立したSBTイニシアチブが提唱。
  • 2 気候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)/企業等に気候変動関連のリスクと機会について情報開示を推奨するイニシアチブ。2016年に金融安定理事会(FSB)が設立。

社会とともに持続的な発展を目指して

一新した組織と環境のもと、私たちはOne CASIOで構造改革を成し遂げ、中期経営計画を完遂していきます。カシオを真に動かしていくのは常にグループ社員一人ひとりであり、それぞれが日々の仕事の中で「貢献のための創造」を具現化していくことが重要です。「ユーザーの役に立ち続ける」という目的を全社で共有し、最適な方法をトップダウンとボトムアップの双方向で真摯に考えるとき、その2つが重なり合う中にこそカシオを変える力が生まれます。
カシオは今後も、事業を通じてさまざまな社会・環境課題の解決に貢献し、社会から信頼される企業として社会とともに持続的な発展を目指します。ステークホルダーの皆様には、当社の取り組みに対し、忌憚ないご意見をお寄せいただければ幸いです。

カシオ代表取締役社長 樫尾 和宏の署名です。