自然との共生

事業所の生物多様性保全

2017年にカシオグループの国内主要拠点の生物多様性調査を外部専門家(緑生研究所)に依頼して実施した結果、表1に示すように多くの植物や昆虫が敷地内に生息していることが確認されました。中でも東京都羽村市にある羽村技術センターでは、環境省レッドリスト掲載のキンラン、ならびに、東京都レッドリスト掲載のギンラン、コヒロハハナヤスリがあることが確認されました。また、山梨県笛吹市にある山形カシオ山梨事業所では山梨県レッドリスト掲載のイヌハギ、シロヘリツチカメムシなどの希少な植物や昆虫が発見されました。この調査結果を踏まえ、外部専門家のアドバイスを受けながら従業員有志による保全活動を継続しています。
なお、羽村技術センターでは、従業員有志である「見守り隊」のメンバーが季節を跨いで観察を行っており、希少種ではないものの、外部専門家による調査時に出現していなかった「ムラサキツバメ」(シジミチョウの仲間)などの生物種も複数確認されており、今後さらに調査を進めてリスト化していく予定です。

ムラサキツバメ(シジミチョウの仲間)の写真です。
ムラサキツバメ(シジミチョウの仲間)

国内主要拠点の生物多様性調査結果(表1)

拠点

種数

特筆すべき昆虫・植物

昆虫

植物

カシオ計算機株式会社
本社 

55

82

 
羽村技術センター 

105

187

植物:キンラン、ギンラン、コヒロハハナヤスリ
八王子技術センター 

51

110

植物:コヒロハハナヤスリ
山形カシオ株式会社
本社 

82

173

 
山梨事業所 

91

150

昆虫:シロヘリツチカメムシ
植物:イヌハギ
カシオ電子工業株式会社 

58

108

 
CBS 甲府事業所 

82

160

植物:コイヌガラシ
ギンランの写真です。
キンラン
ギンランの写真です。
ギンラン
コヒロハハナヤスリの写真です。
コヒロハハナヤスリ
イヌハギ/シロヘリツチカメムシと食草のカナビキソウの写真です。
イヌハギ / シロヘリツチカメムシと食草のカナビキソウ

羽村技術センターでの保全活動

羽村技術センターで生育が確認されたキンランならびにギンランは、2020年も事業所の従業員有志による「見守り隊」が発芽から開花・結実に至るまでを観察し写真撮影する予定でした。しかしながら、新型コロナウイルス対策のため、事業所への出入りが制限されたため、従業員有志による観察も制限を受けました。ただし、これまでに確認されている各個体はいずれもそれぞれの生息地点の周辺環境の差異の影響を受けながらも、元気に生息を続けています。

キンラン 2020/3/27の写真です。
キンラン 2020/3/27
キンラン 2020/4/14の写真です。
キンラン 2020/4/14
キンラン 2020/4/22の写真です。
キンラン 2020/4/22
キンラン(拡大)2020/4/22の写真です。
キンラン(拡大)2020/4/22

2020年も5月のゴールデンウイーク中に無人でのインターバル撮影を行う予定でしたが、事業所への出入りが新型コロナウイルス対策で制限されており、今回は実施を見送りました。

2019年に羽村見守り隊が実施してカメラの設置の写真です。
2019年に羽村見守り隊が実施してカメラの設置の写真です。
2019年に羽村見守り隊が実施してカメラの設置

インターバル撮影による成長記録(4/25~5/7、60分間隔)

山形カシオ山梨事業所での保全活動

外部専門家のアドバイスにより、山梨県レッドデータブックに掲載のイヌハギの他、カワラサイコ、シベリアメドハギおよびシロヘリツチカメムシの食草であるカナビキソウなどの草原性植物を保護対象として標識を設置し、除草の時に刈り残すようにしました。この結果、上記の植物がより健全に成長し、開花、結実を確認することができました。

カワラサイコの写真です。
カワラサイコの写真です。
カワラサイコ

シベリアメドハギの写真です。
シベリアメドハギの写真です。
シベリアメドハギ

2019年4月には山梨事業所の「見守り隊」が発足し、外部専門家に依頼して策定した管理計画に基づき、前年秋に採取した種子からの個体の増殖を開始しました。露地に蒔いたものと、ポットに蒔いたものといずれも発芽し成長しています。

草原生の生物多様性保全・向上のための管理計画(PDF) (PDF / 2.4MB)

種まき作業の写真です。
種まき作業
種まき作業を終えた山梨見守り隊の写真です。
種まき作業を終えた山梨見守り隊
露地のシベリアメドハギの写真です。
露地のシベリアメドハギ
ポットのシベリアメドハギの写真です。
ポットのシベリアメドハギ

山梨事業所で見られる希少種を含む草原性の植物は、事業所の敷地となる以前よりこの場所に生育していたものと考えられますが、事業所の敷地となって以降は敷地内の緑地管理として定期的に草刈りを実施してきたことで、生育に適した環境が維持されてきたものと考えられます。このため、2019年の5月に通常通りの敷地内管理として草刈りを実施しました。

草刈り実施前の写真です。
草刈り実施前
草刈り実施後の写真です。
草刈り実施後
草刈り実施前の写真です。
草刈り実施前
草刈り実施後の写真です。
草刈り実施後

その後、敷地内の保護対象の植物は順調に成長し、株も大きくなりました。これらの取り組みにより、限られた個体数を増殖させることに成功し、生物多様性保全・向上につながるだけでなく、消失に対するリスク回避となりました。また、タグを設置して従業員にもわかるように表示するとともに、本レポート上でも公開することで生物多様性に関する意識啓発にもつながりました。

増殖エリアのイヌハギの写真です。
増殖エリアのイヌハギ
増殖エリアのシベリアメドハギの写真です。
増殖エリアのシベリアメドハギ