自然との共生

教育啓発

CASIOの森

2018年8月29日、当社は「東京水道~企業の森(ネーミングライツ)」協定書について東京都水道局と調印を行いました。
そして、協定後の初年度となる2018年度に2回の現地活動を実施しました。

「東京水道~企業の森(ネーミングライツ)」協定書に調印
「CASIOの森」における2018年度の活動 

活動2年目となる2019年は、第1回目の活動として5月に広葉樹(イロハモミジとミズナラ)の植栽を行うとともに、水道局の管理する「100年の森」を見学しました。東京都水道局が管理する水道水源林のエリアは明治維新の混乱でいったんは裸山となり様々な機能が低下しましたが、その後は東京都水道局の尽力で100年以上にわたって保全活動が続けられています。24,000ヘクタールと言われるこのエリアは、水源涵養機能の他にも、生物多様性保全、CO2吸収など、様々な社会課題と関係する機能を有しており、地球環境の保全に重要な役割を担っています。我々の協定地である「CASIOの森」はそのうち約10,000分の1の面積でしかありませんが、これだけの面積であっても管理する作業は大変な労力であり、水道水源林全体の管理作業がいかに膨大であるかを実感することになりました。

ミズナラ、イロハモミジの植栽の写真です。
ミズナラ、イロハモミジの植栽の写真です。
ミズナラ、イロハモミジの植栽
100年の森散策の写真です。
100年の森散策

「CASIOの森」は2019年度の1回目の作業で植栽までが終了し、これから水道水源林を育てる作業は、もっぱら下刈りがメインとなります。
植栽後数年間の継続実施が必要な下刈りは森作りで最も過酷な作業であり、なぜ全国的に森林が荒廃しているのか?について身をもって知る絶好の機会とも言えます。そんな重要な学びの機会である初めての下刈り作業を7月に計画しましたが、当日はあいにくの雨となり、雨天時のプログラムとして準備していた森林認証木材による野鳥の巣箱作りに切り替えました。

巣箱作りは2018年にも行い、その時には3個作るのがやっとでしたが、今回は前回の経験者が指導役となったこと、また、東京都水道局の指導員より「なぜ巣箱を設置すると森が守られるのか?」について、丁寧なレクチャーをいただいたこともあり、新たに合計7個を作ることができました。

野鳥が営巣することで樹木の害虫を捕食してくれますの写真です。
野鳥が営巣することで樹木の害虫を捕食してくれます
新たに合計7個の野鳥の巣箱ができましたの写真です。
新たに合計7個の野鳥の巣箱ができました

巣箱を作っているうちに雨が上がり、巣箱はいずれ設置することとして保管し、残りの時間を利用してごく短時間でしたが、下刈り体験を行いました。

大鎌を使用した幼樹の周囲の下刈りの写真です。
大鎌を使用した幼樹の周囲の下刈り

ここまでで、2018年度と同様に2回の活動を実施したことになりますが、2019年度はさらにもう1回、11月に3回目の活動を行いました。というのは、前回に雨プログラムとして作成した巣箱を、せっかくなので森に設置しようということになったからです。また、前年度に設置した3つの巣箱も気になっていました。もしも、野鳥が営巣していた場合、内部を清掃すれば、また営巣に使われるからです。
この年3回目となる現地訪問で、前年度に設置した巣箱を恐る恐る開いてみると、3個設置した巣箱の全てから大量の巣材がでてきました。現地は小雨交じりのあいにくの天候でしたが、この営巣率の高さに気をよくした参加者は、雨をものともせずにすべての巣箱の設置を完了しました。

おそるおそる開いてみますの写真です。
おそるおそる開いてみます
内部から大量の巣材がでてきましたの写真です。
内部から大量の巣材がでてきました
手分けしていろいろな高さに取り付けましたの写真です。
手分けしていろいろな高さに取り付けましたの写真です。
手分けしていろいろな高さに取り付けました

SDGsにおいて企業に期待されている社会課題への本業貢献を実現するには、社会課題をただ知識として把握しているだけでは不十分です。重要なのは、従業員一人ひとりが様々な社会課題を自分事化したうえで本気で取り組むことであり、「CASIOの森」での現場体験によって地球環境に関わる社会課題のニーズや難易度を深く理解し、その解決に貢献できる新たな事業活動を生み出す(アウトサイド・インの)きかっけにしなければなりません。また、このような貴重な学びの機会を将来的には当社に関係するマルチ・ステークホルダーとのパートナーシップにより共有または相互交流を行い、単独では解決が難しい複雑な社会課題の解決の糸口を探っていきます。

雨の中で古い巣箱の掃除と新しい巣箱を設置の写真です。
雨の中で古い巣箱の掃除と新しい巣箱を設置

荒川クリーンエイド

プラスチックごみによる海洋汚染問題への注目が年々高まっています。プラスチックごみが海洋生物による誤食等により悪影響を及ぼすことは以前から知られていましたが、近年この問題の注目が高まっている一つのポイントは、海洋に流出したプラスチックごみが紫外線や波の影響で微細化(5mm以下)のマイクロプラスチックとなることで、海水に溶けているきわめて低濃度の化学物質が吸着し、海洋生物が餌と間違えて捕食することで食物連鎖により濃縮される可能性が指摘されていることにあります。またプラスチックごみの処分方法として、焼却に依存した方法ではCO2の発生が避けられず、気候変動問題の点でも懸念されています。海産物の摂取による人体への影響は詳しくは解明されてはいませんが、気候変動問題と同様に予防原則に立てば、手遅れになる前に地球規模で対策を講じる必要があります。

カシオでは生物多様性の側面からこの社会課題についての認識を深めるため、20年以上にわたって河川/海洋ごみ問題に取り組んでいるNPO法人荒川クリーンエイドフォーラム(ACF)様に依頼し、座学による講習と併せて荒川下流域での「調べるごみ拾い(種類別にカウントしながらごみを回収する)」を2018年7月12日に実施しました。

現場体験を通じて社会課題を自分事化し本業による貢献を探ることを狙いとして、12名の社員が85mの範囲を酷暑の中で1時間にわたって漂着ゴミの回収作業を実施しました。その結果、食品トレイやペットボトルを中心に45ℓのごみ袋で34袋のごみを回収しました。今回の取り組みで参加者がそれぞれに学んだことは、河川を通じて大量のプラスチックが海洋に流出しているという現実の深刻さでした。その多くは使用済みの容器・包装の類であり、カシオでは製品と梱包材にプラスチックを使用していることから、海洋汚染の問題に無関係とはいえません。今回の経験を契機にカシオとしての取り組みについて検討していきます。

ACF今村事務局長による座学の写真です。
ACF今村事務局長による座学
種類別にカウントしながらのごみ回収の写真です。
種類別にカウントしながらのごみ回収
炎天下での過酷な作業でしたがその分だけ問題の深刻さを理解している写真です。
炎天下での過酷な作業でしたがその分だけ問題の深刻さを理解できました
感謝状の写真です。

海洋ごみ問題に関する社内講演の実施

世界的に深刻化している海洋ごみの問題に対する社内での認識を広げるため、この問題を長年研究されている鹿児島大学 産学・地域共創センターの藤枝繁 特任教授に依頼し、全社環境会議にて「海ごみ問題を考えよう」と題する環境講演会を2019年5月に開催しました。藤枝教授は一般社団法人JEANの理事を兼務されており、日本周辺の海洋ごみの発生源を調べるため様々な現場に足を運んで調査を続けてこられました。中でも独自の調査手法として飲食店で配布されるライター(店名と電話番号が記載)に着目し、発生源を国際的に追跡するご研究は、グローバルに事業を展開する当社としても大変参考となりました。また、藤枝教授は“問題を知ること+行動すること”の重要性を強調され、海ごみの回収と発生抑制の両方を継続して行っていく必要性を踏まえ、企業による活動の支援や技術を生かして問題解決に貢献すべきこと等、当社への期待をお示しいただきました。

鹿児島大学 産学・地域共創センターの藤枝繁 特任教授の写真です。
鹿児島大学 産学・地域共創センターの藤枝繁 特任教授
講演会の様子の写真です。
講演会の様子