自然との共生

教育啓発

CASIOの森

2018年8月29日、当社は「東京水道~企業の森(ネーミングライツ)」協定書について東京都水道局と調印を行いました。

この協定に基づき、東京都水道局が管理する水道水源林のうち2.46ヘクタール(所在地は山梨県甲州市)を正式に「CASIOの森」と命名し、水源林の維持管理に貢献すると共に、従業員へのボランティア活動の機会を提供することとしました。2018年度は現地に看板を設置したうえで、第1回目の活動として10月に社員等有志による「地ごしらえ」とエリア内のマップ作成のための調査を行い、続いて第2回目の活動として、11月にFSC®認証材のスギ板を用いて野鳥の巣箱を製作しエリア内に設置しました。(FSC N002433)

「東京水道~企業の森(ネーミングライツ)」協定書に調印

CASIOの森 看板設置の写真です。
CASIOの森 看板設置
地拵え作業:地面に散乱した枝などを手作業で寄せ集めの写真です。
地拵え作業:地面に散乱した枝などを手作業で寄せ集める
地拵え作業後:地面が露出し植栽が可能な状態の写真です。
地拵え作業後:地面が露出し植栽が可能な状態となる
FSC®認証材のスギ板を用いて野鳥の巣箱を製作の写真です。
FSC®認証材のスギ板を用いて野鳥の巣箱を製作
完成したFSC®認証材のスギ板による野鳥の巣箱の写真です。
完成したFSC®認証材のスギ板による野鳥の巣箱
巣箱をエリア内に設置の写真です。
巣箱をエリア内に設置

活動2年目となる2019年は、第1回目の活動として5月に広葉樹(イロハモミジとミズナラ)の植栽を行うとともに、水道局の管理する「100年の森」を見学しました。東京都水道局が管理する水道水源林のエリアは明治維新の混乱でいったんは裸山となり様々な機能が低下しましたが、その後は東京都水道局の尽力で100年以上にわたって保全活動が続けられています。24,000ヘクタールと言われるこのエリアは、水源涵養機能の他にも、生物多様性保全、CO2吸収など、様々な社会課題と関係する機能を有しており、地球環境の保全に重要な役割を担っています。我々の協定地である「CASIOの森」はそのうち約10,000分の1の面積でしかありませんが、これだけの面積であっても管理する作業は大変な労力であり、水道水源林全体の管理作業がいかに膨大であるかを実感することになりました。

ミズナラ、イロハモミジの植栽の写真です。
ミズナラ、イロハモミジの植栽の写真です。
ミズナラ、イロハモミジの植栽
100年の森散策の写真です。
100年の森散策

「CASIOの森」は植栽作業までが終了し、2019年の春以降の作業は夏季に実施する下刈りがメインとなります。植栽後数年間の継続実施が必要な下刈りは森作りで最も過酷な作業であり、なぜ全国的に森林が荒廃しているのか?について身をもって知る絶好の機会とも言えます。

SDGsにおいて企業に期待されている社会課題への本業貢献は、社会課題をただ知識として把握しているだけでは不十分であり、従業員一人一人が様々な社会課題を自分事化したうえで本気で取り組むことが必要です。「CASIOの森」での現場体験によって社会課題のニーズや難易度を深く理解し、その解決に貢献できる新たな事業活動を生み出す(アウトサイド・インの)きかっけにするとともに、近い将来は当社に関係するマルチ・ステークホルダーによるパートナーシップにより、単独では解決が難しい複雑な社会課題の解決の糸口を探っていきます。

CASIOの森の写真です。

荒川クリーンエイド

プラスチックごみによる海洋汚染問題への注目が年々高まっています。プラスチックごみが海洋生物による誤食等により悪影響を及ぼすことは以前から知られていましたが、近年この問題の注目が高まっている一つのポイントは、海洋に流出したプラスチックごみが紫外線や波の影響で微細化(5mm以下)のマイクロプラスチックとなることで、海水に溶けている有害物質が海洋生物の食物連鎖により濃縮される可能性が指摘されていることにあります。またプラスチックごみの処分方法として、焼却に依存した方法ではCO2の発生が避けられず、気候変動問題の点でも懸念されています。海産物の摂取による人体への影響は詳しくは解明されてはいませんが、気候変動問題と同様に予防原則に立てば、手遅れになる前に地球規模で対策を講じる必要があります。

カシオでは生物多様性の側面からこの社会課題についての認識を深めるため、20年以上にわたって河川/海洋ごみ問題に取り組んでいるNPO法人荒川クリーンエイドフォーラム(ACF)様に依頼し、座学による講習と併せて荒川下流域での「調べるごみ拾い(種類別にカウントしながらごみを回収する)」を2018年7月12日に実施しました。

現場体験を通じて社会課題を自分事化し本業による貢献を探ることを狙いとして、12名の社員が85mの範囲を酷暑の中で1時間にわたって漂着ゴミの回収作業を実施しました。その結果、食品トレイやペットボトルを中心に45ℓのごみ袋で34袋のごみを回収しました。今回の取り組みで参加者がそれぞれに学んだことは、河川を通じて大量のプラスチックが海洋に流出しているという現実の深刻さでした。その多くは使用済みの容器・包装の類であり、カシオでは製品と梱包材にプラスチックを使用していることから、海洋汚染の問題に無関係とはいえません。今回の経験を契機にカシオとしての取り組みについて検討していきます。さらに、この経験を活かして電機・電子4団体・生物多様性WGにて「調べるごみ拾い」を提案し、2019年3月に実施することができました。なお、今回の「調べるごみ拾い」の結果は、ACF様を通じて一般社団法人JEAN様で取りまとめるデータの一部として組み入れられ、環境省や国土交通省はじめ各行政機関の対策資料として活用されます。

ACF今村事務局長による座学の写真です。
ACF今村事務局長による座学
種類別にカウントしながらのごみ回収の写真です。
種類別にカウントしながらのごみ回収
炎天下での過酷な作業でしたがその分だけ問題の深刻さを理解している写真です。
炎天下での過酷な作業でしたがその分だけ問題の深刻さを理解できました
感謝状の写真です。

海洋ごみ問題に関する社内講演の実施

世界的に深刻化している海洋ごみの問題に対する社内での認識を広げるため、この問題を長年研究されている鹿児島大学 産学・地域共創センターの藤枝繁 特任教授に依頼し、全社環境会議にて「海ごみ問題を考えよう」と題する環境講演会を2019年5月に開催しました。藤枝教授は一般社団法人JEANの理事を兼務されており、日本周辺の海洋ごみの発生源を調べるため様々な現場に足を運んで調査を続けてこられました。中でも独自の調査手法として飲食店で配布されるライター(店名と電話番号が記載)に着目し、発生源を国際的に追跡するご研究は、グローバルに事業を展開する当社としても大変参考となりました。また、藤枝教授は“問題を知ること+行動すること”の重要性を強調され、海ごみの回収と発生抑制の両方を継続して行っていく必要性を踏まえ、企業による活動の支援や技術を生かして問題解決に貢献すべきこと等、当社への期待をお示しいただきました。

鹿児島大学 産学・地域共創センターの藤枝繁 特任教授の写真です。
鹿児島大学 産学・地域共創センターの藤枝繁 特任教授
講演会の様子の写真です。
講演会の様子