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自然との共生 | CASIO

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自然との共生

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考え方・方針

│課題認識

国際的な議論の場ではかねてより地球規模での生物多様性の劣化が懸念されてきたところですが、これに対処するために設定されていた愛知目標は、そのほとんどが未達成であることが国際的な結論となっています。

地球規模生物多様性概況第5版(GBO5)

そのような生物多様性の劣化を食い止めるため、SDGsへの取組を通じて企業の役割が期待されていますが、企業の事業活動における生物多様性への影響は業種・業態により様々です。このため、それぞれの企業の事業特性に応じて生物多様性への影響を適切に評価し開示する枠組みであるTNFDの構築が進められています。

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)

生物多様性の劣化が進行している背景には、生物多様性の概念をシンプルに説明することが簡単ではないことがあります。さらには、大多数の人々が都市部に生活していることで、日常的に水や空気や食料など生態系の恩恵を受けているにもかかわらず、その劣化が進行している現場が生活圏から遠く離れた場所にあること(いわゆるテレカップリングの問題)から、身近な問題として捉えにくいという状況があります。

我々が事業活動や日常生活のいろいろな場面で行動を選択するとき、そのようにはるか遠い地域における生物多様性への影響に考えをめぐらすことが普通になること、すなわち「生物多様性の主流化」が求められています。

│カシオグループとの関わり

カシオ製品の製造は最終製品の組立てがメインであり、グループ内には製品に使用する原材料やデバイス系の事業を有していません。このため、生産工場等の操業における生物多様性への直接影響は今のところグループ内にはほとんどありません。一方で原材料やデバイスの調達先であるサプライチェーンにおいては、生物多様性への直接影響が生じている可能性を否定できません。これらのサプライチェーンにおいて、生物多様性にかかわる問題が発生すれば、原材料やデバイスの調達が困難となり、カシオの事業に支障をきたすリスクとなります。

また、近年注目されている海洋プラスチック汚染の解決の目途が立たずさらに悪化した場合や、有害物質の生物濃縮等が科学的に立証された場合には、商品の本体や梱包材などに用いているプラスチックについての法規制が強化される可能性が高くなります。そうなるとこれまで通りにプラスチック材料を利用することが困難になり、当社も対応を迫られるリスクがあります。

また、近年注目されている海洋プラスチック汚染の問題は、日用生活雑貨の業界での取組が急がれていますが、カシオの製品の多くがプラスチック材料を使用した成形品であることや、ユーザーの手元まで品質を維持して製品を届けるためにプラスチックの容器包装を使用している場合が多いことから他人事とは言えません。

意図せずに河川を通じて海洋に流れ出るこれらのプラスチックごみは海洋の生態系を脅かしており、それはすなわちカシオの従業員や製品のユーザーの市民生活における潜在的な食料問題につながっています。それらの問題が顕在化したとき、商品の本体や梱包材などに用いているプラスチックについての法規制が強化される可能性が高くなります。そうなるとこれまで通りにプラスチック材料を利用することが困難になり、当社も対応を迫られるリスクがあります。

一方、カシオでは過酷な自然環境での使用に耐えるウオッチブランド「G-SHOCK/Baby-G」、ならびに、アウトドア活動で役立つセンサー機能を搭載したウオッチブランド「PROTREK」を展開しています。「G-SHOCK/Baby-G」では自然保護の観点から1994年からI・C・E・R・C Japan(アイサーチ・ジャパン)とコラボしたイルカクジラモデルを製品化しており、同団体との協働が2020年で26周年を迎えました。また、「PROTREK」では2018年よりNACS-J(日本自然保護協会)との協働によるイヌワシモデル、オオルリシジミモデル、ウミガメモデル、尾瀬モデルを製品化し、これらの希少生物の保護活動へのサポートを継続しています。これらは、生物多様性の社会課題の主流化に向けて本業である社会への製品供給を通じて貢献するものでありカシオのウォッチブランドの評価向上につながる可能性があります。

│目標と行動計画

カシオでは2011年3月に「生物多様性ガイドライン」を策定し、これに基づいて活動を推進してきました。また、カシオでは事業特性として生物多様性への直接影響が小さいことから、サプライチェーンにおける間接影響に着目し、2015年6月に「紙の調達方針」を定めて活動してきました。

しかし、新型コロナウイルスのパンデミックが「人獣共通感染症」とみなされ、生物多様性の課題とされていることも含め、2021年は生物多様性条約(CBD)・第15回締約国会議(COP15)にてポスト愛知目標等が決定される予定であるなど、国際的な流れがこれまでとは大きく変化しようとしています。これらの国際的な流れを確実に把握したうえで、中長期的な方針や目標を2022年にかけて見直す予定です。

カシオグループ生物多様性ガイドライン

基本方針

カシオグループは、「事業活動が生物多様性からの恵みを受けて成立し、また、生物多様性に影響を与えている」との認識にたち、生物多様性の保全活動を地球温暖化防止への取り組みと並ぶ重要な環境活動として位置づけ、環境経営に取り込み、推進体制を構築したうえで、持続可能な社会の実現のため、グループをあげて取り組みます。

具体的な取り組み

1.(事業活動)
自然の摂理や伝統に学び、その知恵をいかした技術開発を行い、ユーザーの自然愛護の精神を喚起する製品やサービスを創造し提供することにより、持続可能な社会の実現に貢献します。

  • ペーパーレス社会の構築を促進します。
  • 独自の技術開発により省資源化へ貢献します。
  • 自然を慈しむ商品開発を行います。

 

2.(影響評価)
研究/開発、設計、資材調達、製造、物流、販売、製品使用、廃棄、リサイクル等の事業活動、及び事業所や工場立地において、生物多様性に与える影響の調査・分析を行い、改善する施策を定め、影響の大きいもの、効果の高いものから実施していきます。

  • 生態系サービスを利用/使用している部材(皮革、木材、紙等)、素材(鉱物資源等)の適正な調達に積極的に取り組みます。
  • 製品を構成する部材/素材レベルでの生態系への配慮を確認するため、サプライチェーンを通じたアンケート調査を実施します。
  • カシオグループとしての影響評価手法(チェックシート、指標導入)を確立します。

 

3.(情報開示)
環境活動の成果を積極的に開示し、社会の生物多様性への意識向上に努めます。

4.(社会連携)
NPO/NGO、行政機関、地域住民等による生物多様性保全に貢献する活動を積極的に支援します。

5.(全員参加)
全従業員に対して、生物多様性の保全に対する理解を高め、自主的な活動を実践していくための教育を行い、全員参加の活動をめざします。

カシオグループ 紙の調達方針

目的:紙の原料となる森林資源の保護と持続可能な利用を通じた生物多様性の保全を目的として、紙の調達方針を定める。

適用範囲:カシオグループが国内外で調達する紙製品全般

方針:以下の基準に沿って事業活動で使用する紙を調達する。

  1. 紙の原料木は、伐採地の法律・規則を守って生産されたものであること
  2. 保護価値の高い森林を破壊しておらず、重大な環境・社会問題にかかわる企業の製品ではないこと
  3. 信頼できる認証紙や再生紙を優先的に利用する

目標と実績

評価 ◎:すべての目標達成、○:目標をおおむね達成、△:成果より課題が残る、×:進捗なし

活動テーマ 中長期目標 2020年度目標 2020年度実績 評価 2021年度目標
自然との共生 「持続可能な紙」の利用比率を2030年度までに100%とする。 国内向け製品カタログの森林認証紙比率を80%以上とする 74.0% 国内向け製品カタログの森林認証紙比率を80%以上とする
「持続可能な紙」の定義も含め中長期目標を再度検討する 国内外の動向に関する情報収集・分析 引き続き「持続可能な紙」の定義も含め中長期目標を再度検討する

中長期目標にかかわる2020年度の状況は、新型コロナのパンデミックにより、店頭等で無償配布している製品カタログ類に関するユーザーのニーズが大きく変化し、数値の算出は継続していますが中長期目標の内容そのものを見直すべき状況となっています。

│体制

2015年に環境テーマの3つのマテリアリティを設定しました。このうち「自然との共生(生物多様性保全)」をマテリアリティの第3番目と位置づけ、ISO14001環境マネジメントシステムを構成要素としての「M3委員会」を2017年に立ち上げました。この「M3委員会」では、国内向け製品カタログの森林認証紙化を進めるとともに、国内の主要な事業拠点の生物多様性調査を進め、環境省レッドリストに掲載されている希少植物等が事業所敷地内に自生していることを発見しました。これらの希少植物等の保全活動をはじめとして、自社内から生物多様性の主流化を進めるべく、M3委員会では従業員の自発性を重視した施策(見守り隊、CASIOの森)を推進しています。

また、社会の要求として、本業を通じた社会課題への貢献がますます求められていることから、上記の主流化施策と事業部門の本業施策との連携を進め、従業員有志による自発性を重視した施策を継続します。

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