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新感覚ギターコントローラー「DIMENSION SHIFTER」イベントレポート~子どもの箸箱から始まった製品誕生の舞台裏

2026年2月19日


カシオ計算機は、1月29日に新感覚のギターエフェクトコントローラー「DIMENSION SHIFTER(ディメンションシフター)」を発売しました。発売翌日の1月30日には、流通・メディア関係者を招待したリリースイベントを開催。ゲストにギタリストのROLLY氏を迎え、製品の魅力と可能性が存分に語られた約1時間のセッションとなりました。

左から:「DIMESION SHIFTER」開発者の藤井氏とギタリストのROLLY氏

「人類にとっては小さな一歩、ロックにとっては大きな一歩」

「DIMENSION SHIFTER」は、ギターやベースのストラップに取り付けて使用する、まったく新しいタイプのエフェクトコントローラーです。従来、ギタリストがエフェクトを操作するには足元のペダルを踏む必要がありました。しかしこの製品は、「ストラップを引っ張る動作」によってエフェクターを制御します。つまり、ギターのネックを上下させるだけで、直感的に音色を自在に変化させることができるのです。

プロモーションムービーの上映後、ステージに登場したROLLY氏は開口一番、こう宣言しました。

「この製品は、ロックの長年の歴史の中で非常に画期的な発想の新製品です。人類にとっては小さな一歩ですけれども、ロックにとっては大きな一歩となることと思います」

ROLLY氏の演奏の様子

ピッチシフターで演奏表現の幅が広がる

最初のデモンストレーションでは、「DIMESION SHIFTER」でのピッチシフター機能が披露されました。ROLLY氏がギターのネックを下げると、音程がうねるように変化。「関西の漫才師・横山ホットブラザーズの『のこぎり演奏』のようなサウンド」と表現したROLLY氏が奏でたのは、「お前はアホか」という関西弁のフレーズ。ピッチシフターによって音程が上下し、まるで人が話しているかのような表現に、会場は笑いに包まれました。

続いて披露されたのは、バンドアンサンブルの中でのパフォーマンス。ROLLY氏はギターを弾きながら「DIMESION SHIFTER」を操作し、音程を滑らかに変化させていきます。変幻自在の音色に、会場からは感嘆の声が上がりました。

開発のきっかけは「子どもの箸箱」だった

イベント中盤には、開発者の藤井令央(サウンド・新規事業部 第二戦略部 第二企画室)が登壇。製品誕生の裏側が語られました。

「私もレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジに憧れるギター大好き少年の一人でした」

藤井氏が特に欲しかったのは、約50年前にザ・バーズのギタリストが開発した「B-Bender(ビーベンダー)」という装置でした。B-Benderは、ストラップを引っ張ることでギターの2弦だけが1音上がる仕組み。ジミー・ペイジがステージで使用したことで伝説となりましたが、市場ではほとんど手に入らない幻の機材だったのです。

「お年玉を握って楽器屋さんに行くんですけど、B-Benderギターは置いていなくて。今の市場でもなかなか見つからないので、自分で作るしかないかと思ったんです」

しかし、B-Benderのようなメカニカルな装置を自作するのは困難。そんな時、藤井氏の目に留まったのが、子どもの箸箱でした。

「たまたま家にあった、スライドするタイプの箸箱をストラップにくっつけて、無理やり動かすと伸びるっていうのを作りました」

試作機を見せる藤井氏

これが約4年前のこと。個人的な趣味として作った試作品を友人に触ってもらうと、「別にB-Benderじゃなくてもいいんじゃないの」という助言を受けました。そこで藤井氏は発想を転換。B-Benderの再現ではなく、ピッチシフターをはじめとする様々なエフェクターを操作できるコントローラーとして開発することを決意しました。
「会社に相談したところ、『藤井君、楽しそうだから作っていいんじゃないか』と。非常に懐の深い会社ですね」
こうして、箸箱から始まったアイデアは、カシオ計算機の正式な製品開発プロジェクトへと発展していきました。

B-Benderを超える可能性

イベントでは、ROLLY氏が実際のB-Bender搭載ギターも持参。両者の比較デモンストレーションが行われました。B-Benderでストラップを引っ張ると、確かに2弦の音程が1音上がります。ハワイアン風のサウンドが会場に響きました。

「でも、B-Benderは1音しか変化できない。DIMENSION SHIFTERは、1オクターブでも2オクターブでも、4オクターブダウンから4オクターブアップまで一気に駆け上がることができる」

ROLLY氏は続けました。

「これはもうブラック・サバスのトニー・アイオミもびっくりするし、オジー・オズボーンもキャーって言う。これからは、DIMENSION SHIFTERの時代ですよ」

ステージパフォーマンスの自由度が広がる

「DIMENSION SHIFTER」のメリットの一つは、「ステージ上のどこにいてもエフェクトを操作できる」ことです。藤井氏は、従来のギタリストが抱えていた課題を指摘しました。

「ギタリストさんって、結構ステージ前方や客席の前の方に行かれることが多いと思うんですけど、いざギターの音を変えようとすると、1回戻らないといけないんですね」

ROLLY氏は、「DIMENSION SHIFTER」がもたらす自由度をこう表現しました。

「いままではボーカルに『あそこでペダル押してくれよ』などお願いをしないといけなかった。これはエフェクターから離れていても操作できるので画期的ですね」

実際のデモンストレーションでは、ROLLY氏がステージ前方に出た状態でスイッチング。戻ることなく音色を変更してみせました。「戻らなくていいですね」―シンプルですが、この一言に「DIMENSION SHIFTER」の革新性が凝縮されています。

「DIMESION SHIFTER」を次世代のスタンダードにしたい

イベントのクロージングで、ROLLY氏はこう語りました。

「これをいろんな人に使ってもらって、次の時代のスタンダードにしていきたいですね。ギターには必ずDIMENSION SHIFTERがついているという未来の絵が見えました」

イベント終了後には、「こんな製品を待っていた」「早速使ってみたい」といった声を多数いただきました。また、会場には「DIMENSION SHIFTER」が展示され、多くの来場者の方に触っていただきました。
約50年前のB-Benderに憧れた一人の少年が、子供の箸箱から着想を得て作り上げた製品。それは、ロックの歴史に新たな1ページを刻む可能性を秘めています。

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