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カシオではさまざまな団体と協働し、社会課題に向き合った取り組みを進めています。
今回は、その中の一つであるアースウォッチ・ジャパンをご紹介します。
アースウォッチ・ジャパンとは
アースウォッチ・ジャパンは、研究者の科学的な野外調査と市民をつなぎ、自然環境や生態系の変化への理解を深める活動を行う認定NPO法人です。私たち市民が研究者の話を聞き、その調査に加わることで具体的に何が起こっているのか、将来はどうなるのか、何を行っていけばよいのかを自分ごととして考える機会を提供してくれます。
猛暑がようやく落ち着いた9月下旬、アースウォッチ・ジャパンが企画・運営する「ふじのくにの里山 -植物と昆虫のつながり」の調査プログラムに参加してきました。
調査プログラム「ふじのくにの里山」の活動とは
このプログラムの主任研究者であり、静岡県静岡市にある県立自然系博物館「ふじのくに地球環境史ミュージアム」の岸本教授が取り組む調査とは、ずばり「虫捕り」。
ミュージアム裏手に広がる森の中にある「生物多様性のみち」をひたすら捕虫網を振り回しながら進んでいきます。草原で蝶々を追いかけるような虫捕りというよりは、草木をガサガサ揺らして虫を落とし集めたり、地面の草をかき分けて虫を探すなど、どちらかというと地味な作業が中心です。
今回の調査には募集枠いっぱいの10名が参加していました。開催地の静岡はもとより関東、関西などの広い範囲からボランティアが集結する人気調査とのこと。何回も足を運んで地形を把握しているベテランの方のみならず、他の調査プログラムへの参加を機にこの調査を知って初めて参加する方などきっかけはさまざまです。アースウォッチ・ジャパンが手がける調査では、研究者から調査の意義や詳細を直接聞くことができたり、ときには一般人は立ち入ることのできないエリアで活動したりと、好奇心の扉が開かれることや多様なバックグラウンドをもつボランティア同士の交流などが魅力なのかもしれません。ちなみに、今回の調査は男女比が半々で、「女性は虫が苦手」という先入観を持っていたことを反省する機会となりました。
さて、調査の方はというと、雨まじりの天候とあってか、網に入るのはクモ、アリ、カタツムリ、その他小さな生き物が多かった印象です。しかし今回のターゲットは6本脚の昆虫とのことで、ターゲット外の生物を避けつつ、網の中に頭を突っ込んで探します。もちろんこのような虫捕りは初めてなので、何の虫が入るのか想像もつかず、蚊にまみれながら間に休憩をはさみつつ、しっかり6時間活動をしました。
慣れない山の斜面での移動とあって、そこそこ疲れましたが、今回のプログラムは1泊2日となっており、虫捕りは夜も続きます。
わらわらと虫捕りご一行
昆虫採集用吸虫管も登場
網の中を覗き込みひとつひとつ確認
ライトトラップの幻想的な灯りに照らされて
そうしてヘッドライトを装備に加えた18時過ぎ、普段目にすることの少ない夜間に活動する昆虫を捕らえに、再び森の中へ。
虫が好む灯りを発すると、虫たちの方から集まってくるので、闇雲に歩くことなく、じっと待っていれば良いという仕掛けです。この画像のように人間にとっても神秘的な色合いで、光が森の闇を切り裂いている様子はつい見入ってしまうほど。
雨上がりの涼しい夜ということもあってか、狙いの昆虫たちには出会えなかったようですが、おもしろい仕掛けを見せていただきました。
夜の森へ行ってきます
ライトトラップです
分類と標本作成
2日目は1日目とは打って変わって、日差しが痛い晴れ間が広がりました。天候の変化により昆虫たちの活動がどう変わるのか、2日目の午前中も森で虫捕りです。
午後はどんな種類の昆虫が採れているかを確認して分類し標本作成を行います。この作業は研究の一端をお手伝いするところで、今回のプログラムの醍醐味です。
地球上にいる生物で最も種類が多いのは昆虫だそうですが、実のところ分類・命名されているのはまだ一部だそうです。岸本教授の専門分野は昆虫分類学。今回の調査は静岡県での昆虫相を見える化して、その多様性を把握するとともに、変化の記録を後の世代に向けて紡いでいくことのお手伝いとなります。
自分で捕獲した昆虫を標本として作製し、図鑑と照らし合わせながら種を特定するだけでなく、自分の採集した標本がミュージアムのコレクションの仲間入りをするという意義深い作業です。
目を凝らして個体の特徴を捉え、種名を明らかにしていきます。これまでこんなにじっくりと昆虫を見たことはありませんでした。まるで謎解きのような時間で、貴重な体験になりました。
「ふじのくに地球環境史ミュージアム」が開館して10年目となるそうですが、今でも新たにこの場所の昆虫リストに加わる昆虫が見つかるそうで、今回の調査でも3種の昆虫が「初めて」確認されました。
なんと、そのうちの1種「キイロアトキリゴミムシ」は私が採集したものなんです。カシオが静岡県の昆虫相研究に少しだけお役に立つことができてよかったです!!
皆でかんかんがくがく
自らの手で標本を作ります
顕微鏡には初採集のキイロアトキリゴミムシが!
皆さんも調査プログラムを体験しませんか
アースウォッチ・ジャパンさん、貴重な体験機会をつくってくださり、ありがとうございました。アースウォッチ・ジャパンでは、昆虫の他にもさまざまな身近な体験から自然とのつながりを実感できる、そして研究者の世界観に触れることができる調査プログラムを運営しています。ぜひ、サイトをご覧ください。
<関連リンク>
アースウォッチ・ジャパン
カシオが応援するNPOや活動の紹介
EARTHWATCH x G-SHOCK コラボレーションモデル
G-SHOCKではアースウォッチ・ジャパンの活動を支援しており、11月14日(予定)にコラボレーションモデルを発売いたします。
サステナビリティ
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