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2025年は当社の電卓初号機である「001」が発売されてから、60周年の節目を迎えます。そこで今回、「001」とはどのような電卓であるか、発売当時のエピソードを交えてご紹介します。
001
「001」は、1965年に発売された当社で初となる電子式卓上計算機(電卓)です。
筐体は、金属でできていたため重さは17㎏あり、18年後に発売されたクレジットカードサイズの電卓「SL-800」(12g)に比べて1,417倍の重さでした。しかし、金属製であったため、排熱効率が高いという恩恵もありました。
SL-800(1983年発売)
「001」は、10桁の加減乗除の計算ができ、掛け算のみ20桁の計算も可能でした。
画期的な点としては、数を記憶できるメモリー機能を世界で初めて電卓に搭載したほか、よく使う数字をダイヤルで記憶できる定数記憶機能も備えていました。
ダイヤル部分
また、今日の電卓と同じインターフェイスを備え、数字を入力するキーが10個しかないテンキー方式や、表示部に一つの窓しかないシングルディスプレイを採用。また、ネオン管を重ねたような表示のニキシー管によって見やすくなっていることも特徴として挙げられます。
シングルディスプレイとテンキー部分
電子式への挑戦
「001」の開発以前、リレー式計算機のメーカーとして市場では認識されていました。そのため、電卓の開発は未知の領域であり、さまざまな困難が待ち受けていました。
技術的な課題として、電卓に使われていたトランジスタは、熱に弱いゲルマニウムの素材で温度変化に弱く、長時間使用しているとスペックとして掲げていた使用条件下の0℃~40℃で動かなくなることがありました。
温度変化に対する耐久試験を行う必要がありましたが、開発は急ピッチで進んでいたため試験設備の整備が間に合いません。そこで、社内の図書室にストーブを持ち込んで室温を45℃まで高める、夜間に工場の裏庭のコンクリートに置いて低温にするなど、会社にあるものを活用して耐久試験を進めました。その結果、温度変化による計算の不具合を克服し、販売までたどり着くことがでたのです。
「001」について、さらに詳しいエピソードは、樫尾四兄弟「電子式への転換」ページでも紹介していますので気になった方はぜひご覧ください。
また、当社の公式noteでは、これまで当社が発売してきたユニークな電卓の紹介を始めます。第一弾は野球ゲームつきの電卓、「BB-9」です。ぜひこちらもご覧ください。
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