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2025年で当社の電卓初号機「001」の発売から60周年を迎えました。カシオの電卓60年の歴史から、代表的な商品を連載でご紹介します。
今回ご紹介するのは、世界で初めて、計算手順の印刷と紙に丸い穴がいくつも空いたさん孔カード(パンチカード)によるプログラムの入れ替えを可能にした電卓、「PR-144」です。当社初の計算機「14-A」から10年後の1967年に発売されました。

PR-144
計算手順も記号で印字する高速ラインプリンタを搭載
この電卓は、計算の手順と結果を印刷できました。1秒間に5行を印字する高速ラインプリンタにより、高速で打ち込んでもリアルタイムで追従します。入力した数と結果だけでなく、計算手順も記号で印字されるので、操作が間違っていなかったかどうかも確認できます。

印字イメージ(当時のカタログより)
プログラムカードを作成し、計算手順を再利用できた
「PR-144」は、計算手順を印字するだけでなく、カード化して保存できました。電卓が紙に複数の孔を空けてプログラムカードをつくります。昔の電子計算機で使われていたパンチカード(さん孔カード)と同じです。これを内蔵の読み取り機にかけると計算手順が電卓に読み込まれ、数字を打ち込むだけで同じ計算手順が再現できました。

PR-144のプログラムカード
それまでに発売されていた電卓でも計算プログラムを入力することで計算式の入れ替えが可能な機種は存在しましたが、入れ替えを行う度にプログラムをイチから入力しなければならないという手間がありました。「PR-144」は、作ったプログラムカードを入れ替えるだけで計算式の入れ替えが可能でした。これによって複雑な計算式を扱う難易度が下がり、カードを保存しておけば何度も簡単に同じ計算式を使うことができました。
事務や科学での複雑な計算を効率化
「PR-144」は4組の数値を記憶し、電源を切っても消えないメモリー機能を持っていました。
また平方根、立方根、三角関数、標準偏差、連立方程式、行列式などの計算ができ、一般事務用、科学技術用に幅広く活用することが可能でした。
紙への印刷(PRint)とプログラムカードの作成・読み取り(PRogram)という2つの「PR」を実現した「PR-144」は、計算手順の保存・確認や再利用を簡単にし、複雑な計算をより少ない手間でできるようにした歴史的モデルでした。
当社のnoteでもパンチの効いた電卓を紹介しています
「PR-144」はパンチカードを打ち出す電卓でしたが、当社の公式noteでは5月19日の「ボクシングの日」にちなんでボクシングゲーム電卓「BG-15」を紹介しています。こちらもパンチの効いた電卓です。ぜひご覧ください。
<関連リンク>
【カシオ電卓60年の歩み vol.1】カシオ初の電卓「001」とは?
カシオのオモシロ電卓物語 Vol.3:ボクシングゲームができる「BG-15」
カシオ公式note(5月19日掲載)
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