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日本の伝統工芸「漆塗り」と融合した電卓「S100X」漆モデルができるまで

2026年3月18日


カシオ計算機は、日本の伝統工芸「漆塗り」とカシオ電卓のフラッグシップモデル「S100X」を組み合わせた『S100X-JC1-U』を4月9日に発売します。老舗越前漆器メーカーである山久漆工の熟練塗師が一台ずつ手作業で漆塗装を施した、世界限定650台のモデルです。漆の深い艶と「S100X」の機能美を併せ持つ、プレミアムな電卓の誕生です。今回は、商品企画担当者とデザイナーに本モデル誕生の背景や開発秘話を聞きました。

左より:新井大地、野村美月の写真

左より:デザイン開発統轄部 プロダクトデザイン部 コンシューマデザイン室 新井大地、教育事業部 アドバンス企画部 商品企画室 野村美月

『S100X-JC1-U』のイメージカット

―「S100X」と日本の伝統工芸を組み合わせた理由は?
野村:「S100X」は機能美や高品質、日本製を特長とした電卓で、上質でミニマルなデザインを好む方から支持されている電卓です。さらに多くの方に手に取ってもらうために特別な塗装を施したいと考え、「S100X」と共通点が多く親和性が高いと思われる日本の伝統工芸「漆」と組み合わせることに決めました。

新井:漆は長い年月をかけて培われた日本独自の素材で、塗り重ねるほど味わいが増してきます。「S100X」が大切にしてきた価値観ともつながり、時間とともに変化する美しさを楽しめる点も魅力的でした。

―山久漆工さんを選んだ理由は?
野村:山久漆工さんは越前漆器の産地、福井県鯖江市で1930年に創業した老舗企業です。伝統的な漆器の製造だけでなく、オーディオアクセサリーやチェスセットへの漆塗りなど異業種との取り組みにも積極的で、電卓への漆塗りという挑戦にも真摯に向き合ってくださったため協業に至りました。

新井:鯖江市の漆工房を訪問した際、長い歴史を背景に持つ漆産業の奥深さと、職人さんの誇りを感じました。また、実際に作業場で見た長年使い込まれた道具や、湿度・温度の細かな管理をしている様子から、山久漆工さんの品質へのこだわりの強さが伝わってきました。

説明の様子

―今回のデザインのポイントは?
新井:仕上げには漆塗りの仕上げ方のひとつ「溜塗(ためぬり)」を採用しています。赤い下地の上に飴色の半透明漆を塗り重ねる方法です。漆の塗膜が薄くなる筐体のエッジ部分では下地の赤色がほどよく透けて見え、溜塗特有の奥行きある表情が生まれます。

新井:今回のモデルでは100%天然漆を使用しています。「10年以上育てた木から約200ccしか採れない」といわれる非常に希少な素材です。使い続けることでゆっくりと色合いと艶が深まり、表情が変わっていくのが魅力です。まさにユーザーと一緒に歳月を重ねて育っていく一台になります。

野村:「S100X」としての機能性や外観は保ちながら漆をより魅力的にみせるため、形状設計にもこだわりました。筐体側面の丸み形状は透けて見える赤色が最も美しく見えるよう調整しています。また液晶周りの筐体形状も漆の面がより広くなるよう特別仕様にしています。

『S100X-JC1-U』製品画像

―電卓のキー表記やパッケージのロゴにもこだわりが?
新井:キー表記には、高級感を演出するため、特別なベージュとゴールドを調色し、上質さと視認性を両立させました。パッケージのカシオロゴには金箔押しを施し、特別モデルの世界観を表しています。

『S100X-JC1-U』製品画像
パッケージ画像

―製造過程で特に苦労した点は?
野村:手作りならではの漆の風合いを活かしつつ、電卓としての寸法精度を出すことに苦慮しました。カシオの開発者と漆工房の職人さんで何度も試作を行い、試行錯誤した結果、電卓としての使い勝手の良さと漆塗装の美しさを同時に実現させることができました。

制作過程の画像

―実物を初めて見た時の印象は?
新井:光の角度によって赤みが揺らぐ姿に驚きました。電卓でありながら、工芸品として飾っておきたくなるような存在感があり、写真では伝えきれない質感でした。

野村:漆の艶が別格だと感じました。天然漆100%にしか出せない上品な艶やかさが見てとれました。

―どんな方に使ってほしいですか?
野村:日本の文化や伝統工芸に興味がある方はもちろん、上質なものを長く大切に使いたい方や、昇進・長寿祝い、取引先への贈答品など特別なギフトを探している方にもぜひ手に取っていただきたいです。

新井:「工業と工芸の融合」を日常で感じられるモデルです。机の上に置くだけで特別感があるので、愛着を持って長く使っていただけたらうれしいです。

パッケージと製品の写真

<ニュースリリース>
日本の伝統工芸「漆塗り」を施した電卓

<関連リンク>
電卓に漆塗りを施す―山久漆工さまの「技」と「挑戦」
カシオ公式note(3月18日掲載)

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