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【カシオ電卓60年の歩み vol.3】一般家庭にも計算機を広めたパーソナル電卓カシオミニと後継モデル

2025年8月1日


2025年で当社の電卓初号機「001」の発売から60周年を迎えました。カシオの電卓60年の歴史から、代表的な商品を連載でご紹介します。

はじめに:世界初のパーソナル電卓カシオミニ

今回ご紹介するのは、電卓が業務用として用いられており高額だった時代に常識外れの価格と実用的な性能を両立したパーソナル電卓「カシオミニ」です。

初代カシオミニは1972年に12,800円で発売されました。これは当社が当時販売していた業界最安値のAS-8(38,700円)の半分以下であり、最も安い電卓となりました。この価格を実現するため、一度に表示できる桁を当時の一般的な電卓に採用されていた8桁から6桁にしたり、スイッチの簡略化やワンチップLSIを採用するといった技術的な工夫を随所に凝らしました。これにより、それまで業務用として取り扱われていた電卓を片手で持てるサイズにまで落とし込むことができ一般家庭にも計算機を広く普及させました。

初代カシオミニの製品カット

初代カシオミニ

初代モデルにはデザインのバリエーションがあり、ボタンが丸い前期型と四角の後期型(CM-602)の2種類があります。

カシオミニ後期型の製品カット

カシオミニ後期型(CM-602)

「カシオミニ」は発売後9か月で累計100万台を超えるヒット商品となりましたが、その後にも発売された多数のパーソナル電卓が存在します。

代表的なカシオミニシリーズのモデル紹介

今回、初代モデルと派生モデルの違いについて比較的分かりやすい2モデルを紹介いたします。

カシオミニルートの製品カット

カシオミニルート(1974年発売)

カシオミニの高級機として発売されたカシオミニルートです。初代モデルと比べた時の特徴として、まず筐体が黒から白へ変わっているのが目につきます。
本機はカシオミニシリーズの高級モデルとして位置付けられており、通常モデルの12桁よりも4桁多い16桁の計算が可能なだけでなく、ルートキーを用いることで平方根の計算が可能な機種でした。価格は初代カシオミニより少し高い13,500円でした。

カシオパーソナルミニの製品カット

カシオパーソナルミニ(1975年発売)

次に紹介するのはカシオミニの中でも、より小型・軽量で低価格になった「カシオパーソナルミニ」です。緑色の筐体もかなり目を引きますが特筆すべきはその大きさです。サイズはおよそ6割の約280㎣、重量もおよそ半分の約172gとなりました。それだけでなく、初代発売からわずか4年で価格が半分以下の4,800円まで下がっています。
この価格はLSI(大規模集積回路)の性能が上がったことで、それまでより回路を小さくすることが可能になったおかげで筐体も小型軽量化でき、より安価での供給が可能となったことで実現したと言えます。

カシオミニシリーズの共通点と個性

カシオミニシリーズに一貫していたのは、銀行員など電卓操作の専門知識を持つ人だけでなく、一般ユーザーが使うことを念頭に置いていたパーソナル電卓ということです。初代カシオミニが一度に表示できる6桁というのは、当時一般家庭で100万円を超えるお金を扱うことが少なかったことから決定されています。さらに翌年1973年に発売された「CM-602」ではより多くの人が使えるよう、今では当たり前となっている数式通りに入力することで計算ができる方式を採用したことで、パーソナル電卓としての地位を確固たるものにしました。

まとめ

3万円以下での販売は無理と言われていた電卓をカシオミニが12,800円という価格にしたことで、多くの人が計算との距離を縮めるきっかけになりました。カシオミニシリーズによって、電卓は小型・軽量・安価になり、高性能なモデルも増えて、当社だけでなく競合各社もしのぎを削ってより個性的な新製品を発売するようになりました。

<関連リンク>
【カシオ電卓60年の歩み vol.1】カシオ初の電卓「001」とは?
【カシオ電卓60年の歩み vol.2】プログラムを「紙」で保存できる電子記録計算機「PR-144」(1967年発売)

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