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カシオ計算機は、「DW-6900」誕生30周年を記念し、シリーズ初のカラーバリエーションモデルの色合いを再現した「DW-6900TR」(3モデル)を2月21日に発売します。6900は、3連グラフィックとフロントボタンを備えたラウンドフォルムが特徴で、ブランドの中でも多くのファンを持つ人気シリーズです。
今回は6900にまつわるエピソードを、初代モデルを担当した井崎達也と30周年記念モデル「DW-6900TR」を担当した加藤武流の2人に聞きました。

左から:時計BU 商品企画部 井崎達也、加藤武流

誕生30周年モデル「DW-6900TR」

左から:DW-6900TR-9、DW-6900TR-1、DW-6900TR-4」の3モデル

井崎:私は1986年の入社以来、時計一筋でやってきました。最初はデジタルウオッチの商品企画から始まり、生産管理業務を経て、90年代前半からは一貫してG-SHOCKに携わっています。DW-6900の初号機である「DW-6900-1V」をはじめ、今回の記念モデルのベースとなったシリーズ初のカラーバリエーションモデル「DW-6900H」も担当しました。

加藤:私は2019年に入社し、ずっとG-SHOCKの商品企画を担当しています。ジャンルとしては、メタル系のG-STEELや樹脂モデルなど幅広く担当してきました。まだ6年目なので、井崎さんは大先輩ですね。
井崎:86年だと加藤くんはまだ生まれてないよね(笑)
6900誕生のきっかけは?
井崎:90年代前半、カシオはデジタル時計を中心に展開をしていましたが、当時のデジタル時計のライトは暗い時に時刻が見えればよいという考えで、小さなランプが付いているだけでした。そんななか、他社から文字板全面が光るELバックライトを搭載したモデルが発売され、市場を席巻したのです。このままではやられてしまう、とG-SHOCKでも対抗して、ELバックライトのモデルの開発が始まりました。
ELバックライトを搭載するには電圧を上げないといけないので、電子部品の追加と新たな回路が必要でした。サイズは少し大振りになりましたが、G-SHOCKらしい、かっこいいデザインにまとまったと思っています。明るさに関しては、昼間でも視認できるほど、かなりの輝度を出すことができました。こうしてできあがったのがDW-6900のベースモデル「DW-6600」です。
ただ光らせるだけではもったいないので、何かこの明るさを生かせないかと考えて、バックライトにイラストやメッセージが浮かび上がる仕様を思いつきました。結果として、メッセージやロゴを浮かび上がらせるこの仕様が、さまざまなコラボレーション先に刺さり、G-SHOCKがカルチャーを発信するブランドになったきっかけの一つだと思います。

バックライトで「G」マークが光る「DW-6600」
6900を開発する際に大事にしている部分はありますか?
加藤:入社前から6900はストリートカルチャーに根付いているモデルというイメージがすごく強くて。実際に数多くのストリートブランドともコラボしていますし、自分が好きという理由もあるのですが、6900を担当する際はストリート要素を感じられるものにしたいと意識していますね。
井崎:歴史を振り返っても、ストリートとG-SHOCKは密接にかかわってます。90年代にアメリカで火が付き、逆輸入で日本に入ってきたG-SHOCKブームの際にも多くのストリートブランドが支持してくれました。2000年代には、今度は日本からアメリカにファッションブランドを発信していく流れがあり、その時もコラボレーションなどで6900がよく使われていました。まさに6900を経由して、いろんなカルチャーが行ったり来たりしていますね。
加藤:実際に、ストリートブランドとコラボする際は、先方から「6900でやりたいです!」と言っていただくことが多いです。それだけストリートカルチャーの中で憧れのアイテムの一つになっているので、やはり半端なものは出せないという気持ちはありますね。

ストリートブランドA BATHING APE®︎とのコラボレーションモデル「GM-6900BAPE-1」
今回の30周年記念モデル「DW-6900TR」について教えてください。
加藤:30周年記念モデル「DW-6900TR」は、6900シリーズ初のカラーバリエーションモデル「DW-6900H」の色合いを再現しながら、環境に配慮したバイオマスプラスチックを素材に採用しています。さらに、フロントボタンをメタル化したり、裏蓋にはスターマークを30個レイアウトするなど、周年モデルにふさわしい特別感も演出しました。
パッケージは「DW-6900H」で使用されていたものと色味やフォントなどを継承し、同じテイストに仕上げました。
井崎さんから見て、どうですか?
井崎:進化の部分はもちろん大事だけど、初代モデルの開発者からすると当時のモデルをもっと忠実に再現してもよかったんじゃないかなと(笑)
加藤:なるほど、井崎さんからするとそうですよね(笑)
ただ、そこは30年間でこのシリーズが成長してきた結果として、現代の要素を落とし込みたかったんです。もちろん当時のモデルをそのまま再現することも考えましたが、周年モデルとして継承する部分と進化させる部分の両方を表現できてよかったと思います。
井崎:まあ、単なる復刻ではなく周年記念モデルなので。実際は開発中も温かく見守っていましたよ(笑)

DW-6900H、DW-6900TR

当時のパッケージ、30周年モデルのパッケージ
今後の6900の展望について教えてください。
加藤:6900はストリートカルチャーをはじめ、ファッション界を長年引っ張ってきたモデルだと思います。今はファッションの系統自体がとても細分化している時代ですが、だからこそいろんな人に6900を着けてほしいですね。
例えばスケーターだけではなくて、G-SHOCKのタフネスやカルチャーを知って少しでもいいなと思う気持ちがあれば、ドンドン着けてもいいと思いますし。
これからもストリートシーンにG-SHOCKがあり続けられるように、僕も頑張って製品を生み出していきたいと思います。
井崎:90年代から6900から多くのストリートカルチャーが繋がっていったように、また新たなカルチャーを生みだすようなモデルを6900で作っていってほしいと思います。


<ニュースリリース>
「DW-6900」シリーズ誕生30周年を記念した“G-SHOCK”
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