Skip to content

お気に入りに商品が追加されました。

TOPICS

左利きの人にも、右利きの人にも。カシオが「左手用電卓」をつくった理由

2026年8月6日


8月13日は「世界左利きの日」です。
当社では、操作性を追求し、左利きの方も使いやすい左手用の人間工学電卓「JE-12D-L/DE-12D-L」を販売しています。なぜ左手で使える電卓を開発することになったのか、人間工学電卓シリーズの商品企画担当者に話を聞いてみました。

カシオ担当者の写真

教育事業部 アドバンス企画部 商品企画室 木村 加奈子

私たち「カシオ計算機」がやらねば誰がやる!左手用の電卓に込めた想い

―左手用の人間工学電卓を開発することになった経緯を教えてください
開発のきっかけは、右手用の人間工学電卓の開発とお客様の声でした。人間工学の観点から「打ちやすさ」を徹底的に研究し、2022年10月に右手用の人間工学電卓「JE-12D/DE-12D」を発売しました。開発にあたっては、操作時の手や指の状態を専門機関とともに徹底解析し、当社初の電卓「14-A」まで遡って設計思想を調査しています。

人間工学電卓の写真
人間工学電卓の階段キーについての図解

操作面は3°の角度で傾斜、打鍵方向は垂直な「人間工学階段キー」を採用。
手や指にフィットし打ちやすい、人間工学電卓

右手で電卓を打つ人が多いことが調査で分かっていたため、当初発売されたのは右手での操作を想定したモデルでした。ですが「左手で打ちたい人も必ずいる、だから左手用も必要だ」という考えは当初からありました。

右手用の人間工学電卓の発売後、『左手用も欲しい』という声が数多く寄せられました。右手用だけでは、左手で電卓を打つ人たちに十分応えられていないと感じていたので、このお声が後押しになり、やはり左手用も出すべきだと決断しました。これは私だけの意思だけではなく、当時の事業部長も含めて「私たち計算機から始まった会社、『カシオ計算機』なんだから、左手用の電卓もニーズがあるのであれば、もちろん出すべきであり、それがカシオ計算機の電卓づくりの考え方だ。」と皆の意思が一致し、チャレンジしてみることになりました。こうして左手用の人間工学電卓「JE-12D-L/DE-12D-L」が2024年3月に誕生しました。

人間工学電卓「JE-12D-L」(左手用)と「JE-12D-WE」(右手用)の画像

人間工学電卓「JE-12D-L」(左手用)と「JE-12D」(右手用)

左手用の電卓は、左利きだけでなく右利きにも支持されている

―左利きの人は、電卓をどちらの手で打っているのでしょうか?
左利きの人は、左手で電卓を使うイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、実際はそう単純ではないようです。利き手の左手で電卓を打つ方もいますし、利き手である左手ではペンを持ち、反対の右手で電卓を打つ人も多いようです。実際に社内で話を聞いてみても、左利きだから左手で電卓を使うというわけではなく、右手で使う人、左手で使う人、その時々で使い分ける人などさまざまでした。

人間工学電卓の開発を進めるなかで、「利き手の慣れ」と「使いやすさ」は必ずしも一致しないと感じました。例えば、経理業務や簿記学習では、利き手でペンを持ちながら、反対の手で電卓を操作するケースも少なくありません。仕事環境や作業内容によって、最適な使い方は変わります。人によって最適な使い方が異なることが、人間工学電卓の開発の出発点でもありました。

―ということは、右利きの人も左手用の電卓を使っているのでしょうか?
「左手用」と明記しているので「左利き専用の電卓」と思われることがありますが、実際には経理担当者や会計士、税理士の方など、特に電卓を使う機会が多い右利きの人からも支持されています。右手でペンを持ちながら左手で電卓を打ったり、パソコンを右手で入力しながら左手で電卓を打ったりする場合、左手用の電卓が効率的な選択肢になることがあります。ペンを持ち替えなくて済んだり、電卓をパソコンの左側に置くことでマウスの置き場に干渉しなかったり、「利き手の方が使いやすいから」ではなく作業効率や環境を含めて使いやすいかどうかを重要視されて選んで下さっているようです。

左手用の電卓は、右利きの人でも使い方の違いに応えるための選択肢のひとつになると思っています。右手用や左手用が合う人もいる、使う手を限定しない従来の本格実務電卓が合う人もいる、それぞれにとって最適な電卓の選択肢が当社にあることが大切だと思っています。

電卓とカシオ担当者の画像

右手用・左手用がある人間工学電卓や、利き手を問わず使える本格実務電卓と

世界初の小型純電気式計算機「14-A」にもあった、“使いやすさ”へのこだわり

―人間工学電卓の開発にあたり、社内で参考にした電卓はあったのでしょうか?
1957年に発売した、世界で初めての小型純電気式計算機「14-A」まで遡って調査を行いました。

小型純電気式計算機の画像

小型純電気式計算機「14-A」

ブラインドタッチで計算する際、テンキーの真ん中が分かりやすいように「5⃣のボタン」の中央部に少し凹みがあります。また、これらのキーが左側に位置しているのは、左手で計算しながら右手で文字が書けるようにという配慮がなされています。

左手で小型純電気式計算機を操作する様子

左手で「14-A」を操作する様子

左手操作の様子が記載されている取扱説明書

左手操作の様子が記載されている取扱説明書

当時の計算機や電卓関連の資料を読み解くなかで見えてきたのは、当社が長年大切にしてきた「実用性重視」という考え方です。とにかくお客様が使いやすいものをつくること、この「実用性重視」の考え方が昔から受け継がれていると思います。誰にとっても使いやすいことを追求する姿勢は、人間工学電卓の開発を含め、現在の電卓の開発にもつながっています。

各種電卓が並んだ画像

左上から、デザイン電卓 Comfy(コンフィ)、本格実務電卓、人間工学電卓

―木村さん、ありがとうございました。

電卓だけじゃない、他の製品にも「実用性重視」は受け継がれている

「実用性重視」「使う人に寄り添う」という発想は、電卓だけに限ったものではありません。1980年に発売された当社初の電子キーボード「Casiotone 201」は、操作パネルが右側にありました。演奏中に手がクロスしてしまうことに気づき、その後は操作パネルを上面に配置するなど、演奏時の使いやすさを考慮し、演奏者の動きに合わせた工夫を取り入れました。

電子キーボード「Casiotone 201」の画像

電子キーボード「Casiotone 201」

利き手を考慮して開発された製品ではありませんが、「人が製品に合わせるのではなく、製品が人に合わせる」という思想は、人間工学電卓とも共通しています。当社はさまざまな製品で、人の行動や使い方に着目した製品開発を続けてきました。ひとりひとりが使いやすいものを選べるように、人に合わせて道具を進化させていく、当社はこれからも使う人ひとりひとりに寄り添ったものづくりを続けていきます。

Select a location